その名はFCバイエルン・ミュンヘンのチョン・ウヨン。本日28日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのグループリーグ、バイエルン対ベンフィカ戦でついにトップチームでのデビューを飾った。
背番号20をつけたチョン・ウヨンは80分過ぎにトーマス・ミュラーと代わって出場。夢の舞台に立った(試合は5-1でバイエルンが勝利)。
チョン・ウヨンは1999年9月20日生まれの19歳(かつてヴィッセル神戸などでプレーしたチョン・ウヨンとは同姓同名だが別人である)。
バイエルン・ミュンヘンのユースチームやリザーブチーム(4部リーグのバイエルン・ミュンヘンⅡ)でプレーしてきたチョン・ウヨンは、11月25日に行われたブンデスリーガ第12節、デュッセルドルフとのホーム戦で自身初となる1軍ベンチ入りも果たしていた。
チョン・ウヨン自身は「試合に出場していないので、特別な感じがあるわけではない」と話していたが、この快挙は韓国メディアでも数多く取り上げられている。
日本でも一部メディアで報じられていたが、その経歴や選手像は詳しく知られていないのも事実だろう。韓国大注目のチョン・ウヨンとは何者なのか。
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アンチェロッティが「すぐ契約しよう」
そもそもチョン・ウヨンは、これまでも韓国サッカーファンの間ではその名が知られてきた。
サッカーを始めたのは小学校5年生の頃。60年代から70年代に韓国サッカーのエースとして活躍したイ・フェテク氏(90年ワールドカップ代表監督、KFA技術委員会委員長、KFA副会長などを歴任)が主宰するサッカースクールで、本格的にボールを蹴り始めたという。
プロを目指す選手としては韓国でもやや遅かったが、地元の仁川(インチョン) 光星(クァンソン)中学で才能開花。仁川大建(テゴン)高校時代には年代別代表にも選出されている。
光星中学、大建高校はKリーグの仁川ユナイテッドとは縁故関係にあり、仁川ユナイテッドの実質的なユースチーム扱いとなっている。
スピードとテクニックに優れ、左右両サイドのウイングプレーも無難にこなすセンスの高さは当時から高く評価されていた。
そんなチョン・ウヨンの名を知らしめた決定的なきっかけは、今年1月にバイエルンへ加入したことだった。
昨年4月に欧州へ渡り5つのクラブのテスト受けると、その才能がバイエルンの目に留まった。
当時、バイエルンの指揮官を務めていたカルロ・アンチェロッティ監督がチョン・ウヨンのプレーを見て、「すぐに契約しよう」と提案したという。
世界的名将のラブコールを受けたチョン・ウヨンは、移籍金70万ユーロ(約8800万円)、4年6カ月の契約でバイエルンへ入団。当初はU-19チームでプレーすることとなったが、「18歳のチョン・ウヨン、“夢のクラブ”バイエルンにどうやって入団したんだ」(『韓国日報』)などと韓国で報じられていた。
日本と同じく欧州ビッグクラブへの移籍は韓国でも大きなニュースになる。最近もマンチェスターユナイテッドのスカウトが韓国選手をチェックしているとして関心を集めたが、そんななかで18歳の高校生がバイエルンに入団したことには、メディアもサッカーファンも驚きを隠せなかったわけだ。
それからはチョン・ウヨンへの注目度も急上昇。ロシア・ワールドカップにも出場したイ・スンウ(ヴェローナ)や、バレンシアの2軍チームであるメスタージャ(スペイン3部リーグ)に所属するイ・ガンインなどと並び、有望株として韓国で期待を集めるようになった。
“第2のソン・フンミン”の声も
特筆すべきは、その後も順調に成長を続け、期待よりも早くバイエルンのトップチームに合流したことだろう。
チョン・ウヨンはバイエルン・ミュンヘンⅡのデビュー戦となった今年7月13日のアイヒシュテット戦でいきなりゴールを決めるなど存在感を示すと、バイエルンのトップチームの練習にも参加するようになり、7月26日にアメリカで行われたユベントスとのプレシーズンマッチで実戦デビューも果たした。
9月には、UEFAチャンピオンズリーグのベンフィカ(ポルトガル)とのアウェイ戦にもチームに同行した。
その“スピード出世”には、バイエルン・ミュンヘンIIハルガー・ジャイツ監督も「本当にすごい。こんなに幼い選手が一流選手と一緒にプレーしているのだから」と舌を巻いていた。
最近は、ドイツでプロデビューしたソン・フンミン(トッテナム)と重ね、“第2のソン・フンミン”と期待を寄せる声も挙がっているが、はたしてチョン・ウヨンは今後、バイエルンでどのような活躍を見せるか。引き続き注目したい。
(文=慎 武宏)
(出典 news.nicovideo.jp)
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