いよいよ開幕まで1ヶ月と迫ってきたサッカーW杯カタール大会。日本ではABEMAで全64試合が中継されるこの大会の見どころを解説するため、ORICON NEWSではサッカーに詳しくない人に向けて日本代表や世界の強豪国の魅力を紹介し、誰にでもW杯が楽しめるような記事を特集でお送りしていく。
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第3回は、我らが日本代表がグループリーグで対戦するライバルたちについて紹介。悲願となる初のベスト8進出するためには、ドイツ・スペイン・コスタリカと同組となったグループEを勝ち抜けなくてはいけないが、その可能性はどのくらいなのか。
■グループステージ初戦は過去4回優勝のドイツ 監督交代でW杯予選は絶好調
今回のW杯には32ヶ国が出場し、4ヶ国ずつ8つのグループに分けられ、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。結論から言うと、今回の日本の入ったグループは、これまで出場した過去6回のW杯と比較すると、もっとも厳しい組み合わせとなってしまった。「FIFAランキング」で24位の日本に対し、過去のW杯で優勝経験のあるスペイン(6位)とドイツ(11位)、さらに中南米の強豪コスタリカ(34位)と同じグループで、サッカーにそれほど詳しくない人でも、FIFAランキングで日本よりはるか上位であり、選手たちも超ビッグネームがそろっているスペインとドイツがこのグループを突破すると予想するだろう。
ここからは各国の戦力を解説していく。初戦で対戦するドイツは、前々回のブラジル大会(2014)で優勝し、過去19度の出場でブラジルに次ぐ歴代2位の優勝4回を誇り、準優勝も4回、3位も3回というまさに世界を代表するサッカー強豪国。王者として迎えた前回のロシアW杯では史上初のグループリーグ敗退、昨年のUEFA欧州選手権(ユーロ2020)でもベスト16で姿を消すなど、ここ数年は低迷期を迎えたが、新指揮官に「バイエルン・ミュンヘン」のハンジ・フリック監督を迎えると、W杯予選を9勝1敗という好成績で突破し、勢いを取り戻した。
メンバーは、優勝したブラジル大会から絶対的な守護神としてゴールを守っているキーパーのマヌエル・ノイアーをはじめ、ジョシュア・キミッヒ、レオン・ゴレツカ、レロイ・サネ、セルジュ・ニャブリ、そして2010年の南アフリカ大会で得点王のトーマス・ミュラーなど、全ポジションにおいてブンデスリーガで10連覇している絶対王者バイエルン・ミュンヘンの選手が中心となる。
また、ティモ・ヴェルナー(RBライプツィヒ)、ニクラス・ジューレ、ユリアン・ブラント(ともにドルトムント)らドイツの強豪チームの選手、さらにイルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)、カイ・ハバーツ(チェルシー)、アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード)ら各国リーグの強豪チームの選手もそろえ、まさに優勝を狙える実力を持つ。
■第3戦はFIFAランキング6位のスペイン コスタリカも鉄壁GKが立ちはだかる
3戦目で戦うスペインは、90年代は国際大会で好成績を残せなかったが、2000年代から世界屈指のビッグクラブ「バルセロナ」のイデオロギーであるパスサッカーが代表チームにも浸透し、08年の欧州選手権、10年のW杯南アフリカ大会、そして12年の欧州選手権と国際大会の3連覇を達成し、まさに世界最強軍団の名にふさわしい輝きを放っていた。当時の中心になっていたのは、現在Jリーグ・ヴィッセル神戸で活躍するアンドレス・イニエスタ、同じく神戸で活躍して引退したダビド・ビジャ、キャプテンとして体を張ってゴールを守ったキーパーのイケル・カシージャス、そして現在は古巣・バルセロナの監督を務めるシャビ・エルナンデスなど。
彼ら黄金世代がピークをすぎると、数年はチームの世代交代に苦しんだが、若手選手が成長した現在は再び上昇気流に乗り、昨年はベストメンバーで臨んだ欧州選手権ではベスト4、若手中心の東京オリンピックでも銀メダルと実績を積み上げてきた。この2つのチームが融合した今回のW杯では、再びの優勝も視野に入れている。
メンバーは、ベテランのセルヒオ・ブスケッツをはじめ、若手のペドリ、ガビ、アンス・ファティ、エリック・ガルシアらバルセロナの選手が中心。そしてバルセロナと並ぶ人気と実力を誇り、昨年のUEFAチャンピオンズリーグで優勝した世界No.1クラブ「レアル・マドリード」のダニエル・カルバハルやマルコ・アセンシオ、さらにその両クラブに並ぶ強豪の「アトレティコ・マドリード」のコケやアルバロ・モラタ、イングランド・プレミアリーグ「リバプール」のチアゴ・アルカンタラなど、世界トップクラスの選手が名を連ねる。
また第2戦のコスタリカはFIFAランキングでは日本より下だが、けっしてあなどれない。多くの選手は国内リーグでプレーしているが、最も有名な選手はレアル・マドリードでチャンピオンズリーグ3連覇に貢献し、現在はリオネル・メッシ(アルゼンチン代表)、ネイマール(ブラジル代表)、キリアン・ムバッペ(フランス代表)らが所属する超スター軍団「パリ・サンジェルマン」のGKケイロル・ナバス。35歳となりクラブでの出番も減少してきたが、衰えを見せない反射神経と大舞台での勝ち方を知っているベテランは、最後方からチームをコントロールする。
また、W杯での最高成績も日本を上回る。14年ブラジル大会はウルグアイ、イタリア、イングランドというW杯優勝経験のある3国と同グループに入りながら、2勝1分の好成績で予想を覆して首位で突破。さらに決勝トーナメント1回戦でもギリシャに勝利、準々決勝でもオランダに善戦し、惜しくもPK戦で破れてしまったが、ベスト8に進出した。強豪国ぞろいのグループリーグを突破した経験は、日本には無いものだ。
■下馬評は日本が圧倒的に不利… しかし、予想通りにいかないのがW杯!
日本が今回のW杯で対戦するのは、日本がたどり着いたことのない輝かしい経歴を持ち、世界中のサッカーファンの視線を釘付けにするビッグスターをそろえる強豪国。戦う前から思わず尻込みしそうになるが、戦前の予想通りにならないのがサッカーの醍醐味である。前回の2018年ロシア大会でのこの3チームの結果を振り返ると、日本にもチャンスの可能性は見えてくる。
ロシア大会でもスペインはバルセロナ&レアル・マドリードに所属するビッグネームを多数そろえていたが、グループリーグ初戦でポルトガルと引き分けると、2戦目のイランには1対0の辛勝、3戦目のモロッコとも引き分け。決勝トーナメントに進出はしたが、下馬評のような強さを見せられず、勢いが出ないままラウンド16で開催国のロシアと対戦し、延長120分で決着を付けられずにPK戦で敗れた。開幕直前に監督交代などのゴタゴタがあったとはいえ、大会前の期待に比べると寂しい結果で終わっている。
それよりも悲惨な結果だったのがドイツだ。グループリーグ初戦でメキシコに破れると、2戦目のスウェーデンにも先制点を奪われて窮地に陥るも、終盤のトニ・クロースの芸術的ゴールでなんとか初勝利。しかし3戦目の韓国には0対2で破れて、まさかのグループリーグ敗退という結果に終わった。
コスタリカも初戦のセルビアに0対1、2戦目のブラジルに0対2と連敗し、3戦目のスイスに2対2で引き分けて未勝利のままグループリーグで大会を去った。このように、強豪国でも予想通り簡単に突破できないのが、W杯のグループリーグ。今回の日本にも少なからずチャンスはあると考えて間違いない。スペインはイラン、ドイツは韓国とアジアのチームと対戦して苦しんだことも、日本の参考となるはずだろう。
日本代表にとっての初戦となるドイツ戦が行われる11月23日まで、いよいよ1ヶ月。日本では祝日の夜10時キックオフという視聴に最適な時間であり、今大会はABEMAで全64試合を生中継するため、スマホやタブレットやPCさえあれば場所を問わずどこでも試合を楽しむことができる。いきなりの番狂わせを信じて、カタールに向けて熱いエールを送りたい。
次回は、今大会が最後の大舞台になるかもしれない2人のスーパースター、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドについて。
(出典 news.nicovideo.jp)
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