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昨今移籍金の高騰が続くヨーロッパの移籍市場。新型コロナウイルスCOVID-19)感染拡大の煽りを受けた今夏の移籍市場でも、高額な移籍金で積極補強を行うクラブもあり、移籍金の高騰はしばらく続くことが予想されている。

一方で、選手を獲得するだけでなく、高額の移籍金で選手を売却するクラブも多数存在する。移籍金の高騰は、そういったクラブたちにとってみれば収益の増加に繋がっているという一面もある。イギリス『サン』は、移籍情報サイト『Transfer Markt』』のデータをもとに、2009-10シーズンから数えた、ここ10年での移籍金売上ランキングトップ10を紹介。“売り上手”なクラブたちを明らかにした。


最も“稼いだ”のは、衝撃の10億ポンド(約1378億5000万円)を稼ぎ出したポルトガルの強豪、ベンフィカとなった。今夏も6500万ポンド(約88億2000万円)でDFルベン・ジアスをマンチェスター・シティに売却するなど、大型補強に絡んだベンフィカは、2019年夏に1億100万ポンド(約1392000万円)でアトレティコ・マドリーに移籍したFWジョアン・フェリックスなど、多くのビッグディールを成立させている。

ベンフィカがさらにすごいのは、毎年のように主力選手を放出しながらも、ここ10年で6度のリーグ優勝を果たしているところだ。これは、選手を手放しながらもその分適切な補強策を講じているということであり、クラブが優れた手腕を発揮している。

ちなみに今夏はFWエヴェルトン、DFジウベルト、FWペドリーニョのブラジルトリオを合計8500万ポンド(約117億1500万円)で獲得。珍しく支出が収入を上回る積極的な補強活動を見せた。

ベンフィカに次いで2位に入ったのは、9億5300万ポンド(約1313億3000万円)を売り上げた、アトレティコとなった。コロナ禍による経済的打撃が大きいと予想される同クラブは、今夏FWアルバロ・モラタ、DFサンティアゴ・アリアス、MFトーマス・パルティを売却。その他、過去の移籍市場では、1億700万ポンド(約147億6000万円)で売却したFWアントワーヌグリーズマンを筆頭に、FWラダメル・ファルカオ、FWジエゴ・コスタなど、ビッグネームを放出している。

その分、前述のフェリックスのように、高額な選手の獲得も行っており、移籍金の収支で見れば、4500万ポンド(約62億円)のマイナスとなっている。

3位に入ったのは、意外にもユベントスだ。2016年夏に当時の移籍金最高額となる8900万ポンド(122億8000万円)でマンチェスター・ユナイテッドに売却したMFポール・ポグバの存在が真っ先に浮かぶが、選手の入れ替わりが激しいのがランクインの大きな要因だ。

ユベントスはここ10年で、のべ591名の選手が入団。その過半数が巨大な下部組織からの入団であるが、その分582名の選手が同期間中に退団しており、全体3位の9億ポンド(約1240億円)の売却額となっている。

4位に入ったのは、積極補強のイメージが強いチェルシーだ。ここ10年で、合計14億5000万ポンド(約2000億円)という巨額の移籍金を支払っている一方で、売却額は8億8600万ポンド(約1222億3000万円)。FWエデン・アザール、MFオスカル、FWジエゴ・コスタなど、ビッグな売却も多数あった他、優秀なアカデミー選手を積極的にレンタルに出した後、売却するというシステムもできていた。

2019年夏の移籍活動禁止や新指揮官フランク・ランパード氏の監督就任以来、アカデミー出身の優秀な若手が多く起用されており、方針が変わりつつあるが、ここ10年で見れば、全体の4位の売却額となっている。

5位以下には、バルセロナレアル・マドリーなど、メガクラブランクインした他、昨シーズン悲願のプレミアリーグ初制覇を成し遂げたリバプールが10位に入るなど、“買い手”クラブというイメージクラブランクイン。大型補強を行うためには、大型の売却も行う必要があることが顕著に現れる結果となった。

2009-10シーズン以来の移籍金売上ランキングトップ10(括弧内は主なビッグディール)

1位ベンフィカ/10億ポンド(約1378億5000万円)
主な売却選手:ジョアン・フェリックス(約1392000万円)、ルベン・ジアス(約88億2000万円)、エデルソン(約48億2000万円)、アクセル・ヴィツェル(約46億8000万円)、ビクトル・リンデロフ(約44億1000万円)

2位アトレティコ・マドリード/9億5300万ポンド(約1313億3000万円)
主な売却選手:アントワーヌグリーズマン(約147億6000万円)、ラダメル・ファルカオ(約70億円)、ジエゴ・コスタ(約44億1000万円)

3位:ユベントス/9億ポンド(約1240億円)
主な売却選手:ポール・ポグバ(約122億6000万円)、レオナルド・ボヌッチ(約51億円)、アルトゥーロ・ビダル(約48億2000万円)、モイゼ・ケアン(約33億1000万円)

4位:チェルシー/8億8600万ポンド(約1220億円)
主な売却選手:エデン・アザール(約206億9000万円)、オスカル(約71億7000万円)、ジエゴ・コスタ(約69億円)

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(出典 news.nicovideo.jp)