(出典 football-tribe.com)



サッカー日本代表でボローニャ(イタリア)のDF冨安健洋(21)の獲得に、イタリアの名門ACミランが興味を示している。イタリアSky Sport」が日本時間2020年9月30日未明に報じ、日本のインターネット上でも話題を呼んでいる。

ACミランにはかつて、ボタフォゴ(ブラジル)の元日本代表MF本田圭佑(34)が背番号10をつけて所属。もし冨安の移籍が実現すれば日本人選手として史上2人目となる。ビッグクラブへの移籍情報に、ネット上ではすでに期待と不安が入り混じった声が相次いでいる。

昨季イタリアで21歳以下のベスト11

Sky Sport」によると、ミランは守備の要を補強したい考え。狙っていたサンテティエンヌ(フランス)のDFウェスレイ・フォファナ(19)はレスターイングランド)へ移籍することとなったため断念し、冨安の獲得に動いているという。また、レアル・マドリードスペイン)のDFナチョ(30)も獲得候補。移籍市場は10月5日まで開いている。

冨安は19歳だった18年にJ2・アビスパ福岡からシント・トロイデン(ベルギー)に移籍すると、翌19年には4大リーグイングランドイタリアスペインドイツ)のボローニャへとステップアップ。本職のセンターバックでなく右サイドバックの起用が多かったが、継続的に試合に出場し、評価を高めた。サッカー分析を手がける「Wyscout」はイタリアセリエAの19-20シーズンにおける21歳以下選手のベスト11に冨安を選出している。

冨安は新型コロナウイルスの影響で開幕がずれ込んだ20-21シーズンも、9月21日の第1節にCBとして先発。その相手はほかならぬACミランで、世界を代表するFWズラタン・イブラヒモビッチ(39)に2失点を許し0-2で敗れたが、フル出場で奮闘した。28日の第2節・パルマ戦もCBで先発フル出場し、4-1での勝利に攻守にわたって貢献した。

ACミランといえば数々の名選手を輩出し、リーグ優勝争いや欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場の常連だったが、ここ7~8年は低調。10-11シーズンを最後にリーグ優勝から遠ざかっており、CLは7年連続で出場を逃している。だが昨季は、中断明けのリーグ戦全12戦を無敗(9勝3分)で終え、今季も勢いそのままにリーグ開幕2戦2勝。上昇基調に入っている。

巨額の移籍金は?

そんなミランは今回の移籍市場で若手の有望株を複数補強し、復権に向けて本腰を入れている。ブレシアから期限付きで獲得したMFサンドロ・トナーリ(20)は、ミランレジェンドガットゥーゾ氏(42)の「背番号8」を引き継いだ。これを筆頭に、レアル・マドリードからはFWブラヒム・ディアス(21)が期限付きで加わるなどしている。こうした補強方針を考えると、成長を続ける21歳の冨安を獲得することも絵空事ではなさそうだ。

冨安はボローニャにとっても欠かせない選手。前出の記事によると、同クラブは冨安の放出に2500万ユーロ(約31億円)という高額な移籍金を設定している。また、かねてミラン以外にもローマナポリ(いずれもイタリア)などが、冨安の獲得に興味を示していると報じられていた。クラブ日本語版公式ツイッターは27日、ファンの間で流行している「#ジブリで学ぶ欧州サッカー」に乗って「移籍市場期間中...他チームの高額オファーから冨安健洋を守るボローニャ」と投稿。映画「千と千尋の神隠し」でハクが千尋を守る画像をアップし、大事な選手であることをアピールした。

一方、金額面でいえばミランも、MFルーカス・パケタをリヨンフランス)に売却することで合意したと29日、仏紙「レキップ」が報じた。その移籍金は2100万ユーロ(約26億円)にのぼるとし、新戦力の獲得に向けて一定の資金を得たといえる。前出「Sky Sportイタリア」も、「パケタの売却によって、ミランは移籍市場の最終日までセンターバックの購入に注力できる」としている。

ツイッターインターネット掲示板では、冨安のミラン移籍情報をめぐり「冨安移籍早いと思うけど冨安ならどこに行っても主力として出れるんじゃないかという期待ができる」「ミランはまだ早くないだろうか...もうちょいボローニャでいい気もするがミランのCBを日本人がやると思うと胸熱やなあ...」「ビッグクラブ行ってもスタメン競争勝てない」など、期待と不安が入り混じっている。欧州の移籍市場は期間終盤で一気に話がまとまることも珍しくない。果たして冨安の所属先はミランか、ボローニャか、はたまた別のクラブになるのか。


第1節ACミラン戦後に更新したボローニャ冨安健洋のインスタグラムより(編集部で一部加工)


(出典 news.nicovideo.jp)