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今季低調な横浜FMを栗原氏が分析 「王者に向けられる対策を凌駕できていない」

 9月に入ってからリーグ戦3連敗を喫していた横浜F・マリノスは、16日の第24節で清水エスパルスに3-0で勝利し、5試合ぶりの白星を手にした。暫定8位、首位の川崎フロンターレと勝ち点差「20」と苦しい戦いを強いられている昨季“J1リーグ王者”だが、2019年限りで現役を引退した元日本代表DFで横浜FMのOBである栗原勇蔵氏は、今季のチームが直面する問題点について「王者として向けられる相手の対策を凌駕できていない実情がある」と語っている。

 昨季15年ぶりにJ1制覇を達成した横浜FMだが、今季は開幕戦でガンバ大阪に1-2で敗れると、新型コロナウイルスによる中断明け後も波に乗り切れていない。第11節の清水戦(4-3)からは3連勝を達成し復調の兆しを見せたものの、9月5日に行われた第14節の“神奈川ダービー”で川崎に1-3と力負け。そこから名古屋グランパス戦(1-2)、セレッソ大阪戦(1-2)と3連敗を喫した。18試合を消化した時点で7勝3分8敗の暫定8位。首位の川崎と勝ち点差「20」、来季のAFCチャンピオンズリーグ出場圏内である3位FC東京とは勝ち点差「8」となっている。

 栗原氏は2002年のプロデビューから横浜FM一筋でプレーし、昨季限りで18年間にわたる現役生活にピリオドを打った。今年1月から横浜FMの「クラブシップキャプテン」に就任しているなか、「Football ZONE Web」のインタビューに応じ、チームが直面する問題点について言及している。

「まずアタッカー陣が、昨年終盤はマテウス、エリキ、仲川(輝人)が3トップを組んでいたが、今季は仲川ですら先発から外される機会が多い。去年優勝した時期に、この3トップが先発で出ていないことを誰が予想できたか。そこを固定できていないのが、すべての原因になっている。前田(大然)も獲得して、徐々に前線から逆算できるチームにはなってきているが、エンジンがかかるのも遅かったし、王者に向けられる(相手の)対策を凌駕できていない実情がある」

 栗原氏は昨季優勝を果たした横浜FMについて、「去年はシーズン後半戦でエンジンがかかって、相手の対策が追いつかなかったのと、対策されてもそれを打ち砕くくらいマリノスに勢いがあった。紅白戦で相手チームとして自分も入っていたけれど、止められる気がしなかった。それだけすべてが上手くハマっていた。120%の力を出せていた」と、昨季はチームが持っているすべてを出し切っていたと強調していた。

「すべてがハマってこそ強さを発揮するのが今のマリノス

 一方、「逆に一つ歯車が狂うと、すべてがズレてしまうサッカーであるとも感じていた。すべてがハマってこそ強さを発揮するのが今のマリノスで、今はそれが噛み合っていない部分がある。今は対策された なかで、再び最大値を模索している段階にある」と、今季のチームは相手の“王者対策”に苦しんでいると現状を分析した。

 それでも「去年も結局、完璧にハマったのは後半戦からだったから、マリノスはここからだと思う」と、愛するクラブの巻き返しに期待を寄せていた。メンバーの入れ替えもあり、今季のチームはまだ完成形には至っていないが、後半戦でチームの最大値を引き出すことができた時、昨季王者は反撃の狼煙を上げるのかもしれない。(Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)

18試合を消化した時点で暫定8位と波に乗り切れていない横浜F・マリノス【写真:小林 靖】


(出典 news.nicovideo.jp)