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宇佐美貴史×柿谷曜一朗“天才対談”|第5回】2013年の柿谷の1ゴール宇佐美が驚嘆

 新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断するなか、ガンバ大阪FW宇佐美貴史セレッソ大阪FW柿谷曜一朗が、オンラインFootball ZONE webの独占インタビューに応じた。アカデミー出身で、幼少期から“天才”と呼ばれ続けてきた2人。G大阪C大阪という強烈なライバル関係を持つ両クラブエースは、互いのプレーをどのような目で見てきたのか。そして天才に訪れた「転機」とは――。宇佐美が驚嘆したというC大阪エースの技ありゴール、そこに至るまでの“秘話”を柿谷自身が明かした。

 2013年C大阪はまさに“桜咲く”シーズンを過ごした。それも、この年から伝統の8番を背負うことになったエース柿谷の活躍があったから。高校2年生でトップに昇格したものの、09年途中から11年までJ2徳島ヴォルティスで武者修行へ。C大阪へ復帰した12年は30試合に出場して11ゴールを挙げ、迎えた13年は34試合21ゴールで得点ランキング3位とストライカーとして名を馳せた。チームも12年の14位から4位へと大躍進日本代表としても東アジアカップ(現E-1選手権)で得点王(3得点)となり、チームを優勝へ導いた。

 宿敵G大阪エース宇佐美にとっても、この年の柿谷の活躍は印象深かったようだ。

宇佐美「動き出してファーストタッチ最高でっていうゴール、多かったですよね」

柿谷「その前の年(12年)に点を取り出したから、ボールが出てくるようになったんちゃうかな。来たら決められる自信もあるし」

宇佐美「キンチョウ(スタジアム)の名古屋戦で、枝村(匠馬)さんから(パスが)出てくるやつ」

 そう宇佐美切り出した一戦は、2013年5月25日のJ1第13節名古屋グランパス戦(2-1)。1点をリードした後半22分、左サイドをドリブルで持ち上がったMF枝村匠馬(現・藤枝MYFC)の縦パスに敵陣中央で反応した柿谷は、相手最終ライン間を抜け出しながら左足アウトサイドでピタリとボールを止めると、スピードを緩めることなく2タッチ目で右足を振り抜き、ゴール左隅へとシュートを流し込んだ。

宇佐美「あれもね、普通、右利きなら右足でトラップするんですよ。でもちょっとパスも浮いていて、走っている歩幅上、左足に来ちゃった。左足で止めるっていうよりかは左足に乗せるみたいな感じで、そのまま右足で蹴れるところまで持ってきて、GKが出てきた時にはもう横を突いてシュートみたいな。もう(GKの横を)通ってるっていう。(名古屋の)ピクシードラガン・ストイコビッチ監督)も笑っているっていうね。あれを左足のアウトファーストタッチするっていう選択肢をするメカニズムが分からない」

柿谷「それしか無理やもん(笑)ファーストタッチがいいって言われるけど、貴史みたいなキレキレなドリブルができるんやったら足もとに止めたらいいねん……。俺がやってきたサッカースタイルは、キレキレのドリブルじゃないから。俺がやってるのは、要領やから。だから、はよ(相手を)抜きたいんよ。ドリブルして抜くよりワンタッチでパンって抜けば一番早いから」

21ゴールを奪った理由を自ら明かす 「バンさんに教えてもらったと思う」

 このシーズン、得点王争いを繰り広げるほど活躍した柿谷。21ゴールを奪い、日本代表としても飛躍したのはなぜか。自ら“秘話”を明かした。

柿谷「初めて点を取り出したんは、こぼれ球オンリーよ。こういうところ(ゴール前)に入っていくとかは俺、バンさん(播戸竜二)に教えてもらったと思う。徳島から(C大阪へ)帰ってきた時に俺そういうの(こぼれ球を狙うこと)を知らんくて。バンさんは練習中からずーっと狙ってんのよ。それ、俺もやってみたら点取れるようになった」

 ここから“桜のエース”として、伝統の8番を背負う男となった柿谷。宿敵G大阪エースとしてアカデミー時代から”至宝”と称されてきた宇佐美は、どうしても羨む”才能”があるという。

宇佐美アイデアですよね。考えていてもできないプレーやから。さっきも曜一朗くんが言っていたけど、咄嗟の判断で『それしか無理やねんもん』という感じ方。一瞬で左足のアウトサイド)を選択できる。でも普通は右足で止めにいって、ガチャガチャして終わる。『それしか無理』を咄嗟の判断で実現できるから見ている人は度肝を抜かれるし、想像外のところからくる。曜一朗くん本人も想像外やと思う。その瞬間瞬間でやっているだけやから。その感覚が欲しい。

俺は言葉で説明できちゃう。この時どう考えていたとか。言葉で説明できてしまうのが咄嗟でやり切れていない感じがしますね。曜一朗くんが持っているもののほうが俺はスペシャルやと思うし、普通にサッカーをやっていて養える感性じゃないから」

宇佐美が考える宿敵の存在とは…「引っ張り合っている関係性」

 G大阪C大阪。両クラブは同じ大阪を本拠地とし、互いにライバルとして熱戦を繰り広げてきた。大阪ダービーは超満員で両サポーターの熱い応援がスタジアムに響く。J屈指の盛り上がりを見せ、日本の誇りとも言える対戦の一つだが、宇佐美はここまで柿谷やC大阪に対して自身の思いを赤裸々に語る理由を話した。

宇佐美「引っ張り合っている関係性でもある。でも、やっぱライバルやし、敵視する目は持っているけど、こういう感性でプレーできる人が育つ環境もある。セレッソに対しても曜一朗くんに対しても、リスペクトは持っている」

 エース同士、高め合い認め合う気持ちを常に持ち合わせている。その思いも両者が飛躍する“スパイス”となっているのかもしれない。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

飛躍のシーズンと語る7年前の柿谷曜一朗【写真:Getty Images】


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