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各国ともFWの平均年俸が高いなか、スペインドイツは30代の実績ある選手が高額傾向

 英国のリサーチ会社「スポーティング・インテリジェンス」が、欧州5大リーグに関するポジションや年齢の分類ごとのデータを公開。イングランドプレミアリーグと他リーグで30歳以上の選手に対する大きな傾向の違いが判明している。

 今回の調査では欧州5大リーグの中で最も平均年俸が高いのはプレミアリーグ3173264ドル/約3億5000万円)で、スペイン1部(254万7061ドル/約2億8000万円)、セリエA2231871ドル/約2億5000万円)、ブンデスリーガ(197万9638ドル/約2億2000万円)、フランス1部(129万8449ドル/約1億4000万円)と続くデータが公開されている。そして、この5大リーグの中でGK、DF、MF、FWの4ポジション、それに加えて23歳未満、23~30歳、30歳以上という分類でも平均年俸が示された。

 ポジションごとに比べると、やはりFWが圧倒的に高い年俸を稼いでいるのは明らかだ。なかでも、スペイン1部で30歳オーバーのFWが得ている平均年俸は643万2656ポンド(約9億円)で、セリエAも同条件では474万9589ポンド(約6億6400万円)、プレミアリーグでも457万3833ポンド(約6億4000万円)という超高額のものになった。

 ブンデスリーガでも376万6579ポンド(約5億2700万円)、フランス1部では318万9727ポンド(約4億4700万円)という高額。最終的にチームの勝利をもたらすストライカーには多額の投資が行われ、欧州5大リーグの最前線には実績あるベテランが重宝されていることが窺える。

 そうした影響もあり、年代別に見ればスペイン1部の23歳から30歳の全ポジション平均が190万8790ポンド(約2億6700万円)なのに対し、30歳オーバーの平均は296万3852ポンド(約4億1500万円)と一気に高騰する。これはセリエAブンデスリーガフランス1部にも共通する現象で、どのポジションでも年齢が高い選手ほど年俸が高いという傾向が明確になっている。

プレミアリーグは他国と異なり、30代になると年俸が安くなる傾向あり

 しかし、プレミアリーグに関してはこの例に当てはまらなかった。MFとFWはいわゆる働き盛りの20代半ばよりも30歳を超えた選手のほうが平均年俸は高くなっているが、その増加率は他国ほどではなかった。そのうえで、GKとDFは30歳を超えた選手のほうが年俸は安いという逆転現象が起きた。その結果、プレミアリーグでは23~30歳の選手が受け取る平均年俸が3521556ポンド(約4億9300万円)なのに対し、30歳オーバーの平均は327万8036ポンド(約4億5900万円)と減少していた。

 全体的にイングランドでは20代の選手に高額年俸が与えられる一方で、30歳を超えると他国のリーグに移るという見方もできそうだ。ボール際の激しさや過密日程からイングランドではフィジカル的な要素が強く求められることで、前線や中盤のスター選手以外はベテランの域に入るとプレミアリーグを離れる決断を下しやすい。その結果が、この年俸推移になっているのかもしれない。

 こうした平均年俸のデータからは、若いうちには各国のリーグプレーし、20代半ばのキャリアで“全盛期”と呼ばれる時期にプレミアリーグで高額年俸を受け取り、その実績を手に30代以降は他国のリーグに移るというのが一つのロールモデルになっているとも言えるのだろう。現在の欧州5大リーグのなかでも、プレミアリーグが絶対的な層の厚さを誇ることは、こうした年俸額からも読み取れると言えそうだ。(Football ZONE web編集部)

マンチェスター・シティが昨季のプレミアリーグ王者となった【写真:Getty Images】


(出典 news.nicovideo.jp)