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2010年から19年までに起きた移籍劇を伊メディアが総括、各年度からピックアップ

 2019年も残り数日となったが、それは“2010年代の最後”も意味する。イタリアサッカー専門メディアカルチョメルカート・コム」は、「2010年代の年イチ移籍」として、各年の最も重要だと思われる移籍と選手をピックアップして特集している。

 まず2010年に選出されたのは、バルセロナからACミランに移籍した元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチだった。この移籍初年度は期限付き移籍の契約だったが、いきなりチームエースとして君臨。7シーズンぶりにミランリーグ優勝を果たす原動力となった。

 続く11年は、そのミランからユベントスに“ゼロ円移籍”をした元イタリア代表MFアンドレア・ピルロだった。このタイミングでアントニオ・コンテ監督が就任したユベントスは、ピルロアンカーに置いた攻撃的なシステムセリエAを席巻。後に8連覇を達成する基礎となっただけに、ユベントスへのピルロ移籍は近年のセリエAにおいてあまりにも大きな影響力があった。

 12年で選出されたのは、ミランからパリ・サンジェルマンPSG)に移籍したブラジル代表DFチアゴ・シウバ。このタイミングミランが財政難に陥ったことが顕著なタイミングであり、イブラヒモビッチPSGへ放出された。ある意味では、ミラン暗黒時代スタートする象徴となる移籍劇だった。

 その翌13年は、トットナムからレアル・マドリードへ移籍したウェールズ代表FWギャレス・ベイルピックアップされた。諸説あるものの、ベイルの移籍金1億ユーロ(約121億円)は当時のレコードであり、「1億ユーロ」という金額が現実になったという意味でもインパクトの強いものだった。

 続く14年は、コロンビア代表MFハメス・ロドリゲスモナコから8000万ユーロ(約97億円)でレアル・マドリードへ移籍したもの。ハメスは直前に開催されたブラジルワールドカップ(W杯)でセンセーショナルな活躍を見せたことで、急激に価値を高めたという点での選出になった。

 翌15年は、セリエAのパレルモからユベントスに移籍したアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラだ。この理由には、他のすべてとも言えるイタリアの上位クラブが獲得に動いた争奪戦という経緯が紹介された。当時の移籍金は3200万ユーロ(約39億円)とされ、現在からすると相当なお買い得感すらあるものだった。

移籍金史上最高額を次々と更新、17年にはネイマール269億円でPSG

 16年では、ユベントスからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したフランス代表MFポール・ポグバピックアップ。まずは1億500ユーロ(約127億円)とされる移籍金の史上最高額を更新したという要素があり、さらにはポグバが12年に“ゼロ円移籍”でユナイテッドからユベントスに来た選手だったことから、史上最高の“差額”による買い戻しだったという要素もあった。

 また同じ16年で「タイ記録」として、ナポリからユベントスに移籍したアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインも選出されている。この時の移籍金9000万ユーロ(約109億円)は、イタリアにおける国内移籍の最高額となるもの。イタリアメディアの選出だけに、これは外せなかったようだ。

 続く17年は、バルセロナからPSGへ移籍したブラジル代表FWネイマールが選出。なんといっても2億2200万ユーロ(約269億円)という天文学的な移籍金となっただけに、世界的にも大きな話題を呼んだ。ベイルからわずか4年で、そのレコードは2倍以上になったとも言えた。

 そして18年では、レアルからユベントスポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが移籍したこと。これだけの大物選手にもかかわらず、7月の時点で移籍が決まったのも驚きの一つだった。その結果、ユベントスは開幕までにレプリカユニフォームの売り上げが、全世界で5000万ユーロ(約61億円)を超えたとも言われた。

 今季開幕前となる19年は、アトレチコ・マドリードからバルセロナへ移籍したフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンがピックアップ。そこには1億2000ユーロ(約145億円)という金額だけでなく、アトレチコ側がその無効を求める訴訟を展開するなど、付随する話題が多かったことも理由に挙げられている。

 近年では移籍金の高騰が顕著なサッカー界だが、2020年代はどのようなものになるのだろうか。いずれにしても、サッカー界における話題の一つとしてその地位を確立している選手の移籍問題。今後もその金額や、アッと言わせるような選手やクラブの選択にサッカーファンが注目していく光景は変わらないだろう。(Football ZONE web編集部)

注目される移籍をした左からピルロ、ベイル、ネイマール、ポグバ、C・ロナウド【写真:Getty Images】


(出典 news.nicovideo.jp)