ドイツ発コラム】ニュルンベルク戦に3試合連続スタメン出場 「周りも信頼してパスをつけてくれる」

 シュツットガルトは現地時間9日に行われたブンデスリーガ2部第16節、ホームニュルンベルクを迎えた一戦で相手に先制ゴールを許したが、後半に元ドイツ代表FWマリオゴメスゴールなどで3-1と逆転勝利に成功した。日本代表MF遠藤航は、アンカーの位置でフル出場。第14節カールスルーエとのダービー(3-0)からスタメンで起用されるようになった遠藤は、それまでバランスが良くなかった中盤に安定感をもたらし、この日も攻守に好プレーを披露していた。相手の攻撃を読み、鋭い出足でボールを何度も奪取してみせる。相手との間合いを常に図りながら、飛び込める瞬間を逃さない。攻撃では正確なパスで、ゲームコントロールしていく。

「周りも信頼してパスをつけてくれるし、自分がディフェンスラインの前に立つ意味というのを理解してくれていると思う。ある程度、信頼をつかめているのかなと思います。大事なのはいいプレーをしっかり続けることだし、いいコンディションを保ちながら、もっともっとプレーレベルを上げていくっていうところなので、まだまだできると思っている分、またしっかり練習からやっていきたいです」

 前半28分には幻の同点ゴール。左CKからゴール前にこぼれてきたボールを、相手と競り合いながら伸ばした右足でシュートを放つ。GKの頭上を抜けたボールは見事にゴールへ吸い込まれたが、直前のプレーゴメスが相手DFにファウルをしていたために、VAR判定の結果ノーゴールに。取り消されてしまったゴールに思わず苦笑いを見せた。

「やっと取れたかと思いましたけどね(笑)。前半で追いつければ理想的な形で、マリオゴールオフサイドになって。今日はチームのみんなが続けていけば点を取れるという雰囲気がハーフタイムであったし。基本的にボールを持ちながら、どういうふうに崩していくかというところで、理想は前半に先制点を取ること、最低でも0-0で終えて後半戦う。そうすれば自分たちのサッカーができて、点を取れると思っているので。今日も(前半に)失点はしましたけど、次はゼロで抑えながらゲームを進めたいなと思います」

「前半からプレッシャーが来てもビビらずに前へ運べた」

 チーム2点目の起点を作ったのも遠藤だった。後半14分、自陣右サイドボールを持つと相手のマークを外して中盤センターフリーのFWサイラス・ワマンギトゥカへパス。そこから左サイドに展開されると、一度DFが跳ね返したルーズボールを押し上げていた遠藤がヘディングで競り勝ち、そのボールを拾ったMFゴンサロ・カストロゴール前のゴメスにパスを通す。GKとの1対1を制した元ドイツ代表FWが、左足でゴールを決めた。

「そうですね、最近というか海外に来て自分の中で意識しているというか。もちろん、シンプルにワンタッチプレーすることも必要ですけど、やっぱり一個プレッシャーをはがして縦につけるとか、そういったプレーって中盤の選手、もっとレベルが上がってくると求められると思うので。後半少し(相手の)プレッシャーが落ちたのもありますけど、前半からプレッシャーが来てもビビらずに前へ運べたりとか。そういうプレーは自分の中で意識しているので、それが2点目の起点になったのは良かったですね」

 狙い通りのプレーに、遠藤の表情も明るい。後半27分にはペナルティーエリア内でパスを受けると、巧みなターンで相手マークを外して右足のシュートに持ち込むなど、最後まで攻守両面で存在感のあるプレーを見せてチームの勝利に貢献した。

 これでシュツットガルトは勝ち点を29に伸ばし、2部リーグ3位につけてはいる。悪くはない。だが、昇格が厳命されている名門クラブにとって安心できる立ち位置ではないのも確かだ。

「今は勝って負けて、勝って負けてになっている。アウェーゲームは大事だし、連勝していかないと。今は順位的に3位にいますけど、やっぱり(自動昇格の)1位、2位。上を争うには連勝が必ず大事になってくると思う。周り(の上位チーム)も今、ちょっと(調子を)落としている分、しっかりあと二つ取って、中断したいですね」

 特に直近のアウェーゲームは3連敗中だけに年内ラスト2試合、第17節ダルムシュタット戦(16日)、第18節ハノーファー戦(21日)とのアウェー2連戦でしっかりと勝ち点を手にしたいところだ。(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

シュツットガルトのMF遠藤航【写真:Getty Images】


(出典 news.nicovideo.jp)