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【現地発】昨季限りでドルトムントを退団した香川 行きつけの和食店の店長が振り返った“普通の人”

 ドルトムントは「DAZN」が全試合を放送する今季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)における“死のグループ”で2位突破を果たした。今夏からスペイン2部レアル・サラゴサへ加入したMF香川真司は昨季まで在籍していたドルトムント黄金期を築いた立役者として認知されているが、当時香川の行きつけだったドルトムント時代の和食店の店長は「彼はロックスターにはなりたがらなかった」と、その素顔を振り返っている。

 ドルトムントは現地時間10日、CL第6節でスラビア・プラハと対戦し、2-1で勝利。配属したグループFは、バルセロナインテルが顔を揃え、今季最大の“死のグループ”となったが、無敗で切り抜けたバルセロナが圧倒的な存在だったこともあり、事実上、2位の椅子を巡るインテルとの一騎打ちとなった。そして、最終節の勝利で決勝トーナメント進出を決めた。

 時を遡り、約3ヶ月前の9月17日ドルトムントがCL初戦でバルセロナを本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに迎え撃った一戦を現地観戦したが、試合終了間際に獲得したPKをドイツ代表MFマルコ・ロイスが外してしまい、試合はスコアレスドローに終わった。

 いち日本人として印象的だったのは、初戦で実現したビッグクラブ同士の対戦以上に、スタジアム付近の至るところで「シンジ!」「カガワ!」と声を掛けられることだった。昨季限りでドルトムントを退団し、サラゴサへと加入した香川だったが、まるで今でも黄色いユニフォームを着ているかのような、色褪せぬ愛されぶりだった。

 試合翌日、ドルトムント中央駅から徒歩10分ほどの場所に位置す「FUKUOKA」という和食店を訪れた。店内に入ると、1人の日本人店員が注文をとっていた。22歳の福田達也さんは今年6月から働き始めたばかりのため、退団した香川とはちょうどすれ違う形となってしまったが、それでもこの店が“ドルトムント香川真司”の行きつけであったことは把握していた。

ドイツに来てからは2年が経つのですが、当時在籍していた7部のベルク・ハイムには自分を含めて13人も日本人選手が在籍していた。10年ほど前までは、日本人選手が海外挑戦にドイツを選ぶことはほとんどなかったと聞いているのですが、ここ最近はほとんどがドイツ。香川さんの影響だと思います」

常連店の店長が明かす香川の素顔「当時の香川の人気は凄まじいものがあったが…」

 福田さんを含めた多くの若き日本人ドイツを挑戦の場に選ぶのは、当時ブンデスリーガ連覇の立役者となり、年間ベストイレブンにも堂々選出された“パイオニア”の存在が大きいことを主張していた。また、この店の店長を務めるエンビさんは、リトアニア人ながら日本食に惚れ込み和食店を開いたとのことだが、常連だった香川の印象についても振り返っている。

「当時の香川の人気は凄まじいものがあったが、至って普通に来店していたよ。よく寿司とうどんセットを頼んでいた。店を出る時は『ごちそうさま』と必ず声を掛けてくれた。本当に、至って普通の人だった。彼は、ロックスターになることを望まなかったんだ。ドイツ人の客はあまり増えることはなかったけど、日本人の客は非常に多くなった」

 ドルトムントは世界でも指折りの熱狂的なサポーターを擁していることで知られており、当時のユルゲン・クロップ体制が築いた黄金期で不動のトップ下だったことから、当然圧倒的な人気を誇る存在ではあったものの、現地民も驚くようなスーパースターとはかけ離れた日常が、“香川らしさ”を物語っているのかもしれない。(Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)

ドルトムントで多くの成功を勝ち取った香川真司【写真:Getty Images】


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