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土田SDは「新しいコンセプトの下で、新しいレッズを作る」と宣言

 浦和レッズは12日にさいたま市内で記者会見を行い、来季の強化体制について説明。新任の土田尚史スポーツダイレクター(SD)は3年計画でのリーグタイトル奪還と長期的な強化を実現するためのコンセプトを語るとともに、来季の補強ポイントストライカーセンターバックを挙げた。

 浦和は昨年4月にオズワルド・オリヴェイラ前監督の招聘と時を同じくして就任した、中村修ゼネラルマネージャーが退任。来季に向け、強化部門でトップチームに特化した責任者に土田SDを据え、それをサポートするテクニカルダイレクター(TD)に西野務氏を任命した。2人はともにJリーグ開幕から浦和でのプレー経験を持ち、土田氏はその後にGKコーチとして現場に、西野氏は大学教授などクラブ外で活動してきた。

 今季リーグ戦で14位に終わったことからの巻き返しが求められるが、土田SDは短期的な視点でものを見ることを繰り返すことこそ浦和の悪例であるとして、中長期的なコンセプトの必要性を説いた。

「短期的な結果を求める、直近のシーズンだけのことを考えるのではなく、なぜこうなっているかを考えるのが重要。コンセプトが不確定ななかで目先の結果ばかりを追い求め、上手くいかなければ監督も獲得する選手も変わる。今後の浦和レッズにとって、それは避けたい。新しいレッズを作るためにはコンセプトサッカーを作る流れにしないといけない。今季に関してもシーズン途中の監督交代。今までと同じことを繰り返している。それを見直す。来季は新しいコンセプトの下で、新しいレッズを作るスタートにしたい」

 また土田SDは、サッカーの部分でのコンセプトについて「個の能力を最大限に発揮すること。前向き、攻撃的、情熱的なプレーをすること」としたうえで、具体的には「最終ラインを高く設定し、前線からをコンパクトに、奪う、攻撃、ゴールをできるだけスピーディにする。そのためには細やかなラインコントロールが必要。攻撃はとにかくスピード。運ぶ、数的優位を作る、短時間でゴールに迫ること。攻守に認知、判断、実行のプロセスを早めること。それを共有してパフォーマンスを上げることを目指す」と話した。

「FWに結果の残せる選手を獲得したい。センターバックも重要な補強ポイント

 トップチームの目標としてはロードマップを策定し、初年度となる来季はAFCチャンピオンズリーグACL)出場権の獲得と、得失点差のプラス2桁。2年目には飛躍の年として選手全員がコンセプトを理解できた状態にし、3年目でのリーグ優勝を掲げた。長期的には「常に安定的な優勝争いをして、リーグ連覇を成し遂げたい」という構想もあるという。

 一方で、直近のシーズンに向けて強化責任者として必要な選手補強を含む選手構成の見直しについても触れている。

「選手の出し入れが、実は簡単ではない状況にある。契約年数が来季にまたがっている選手がほとんど。そのなかでもポイントを絞って補強をしなければいけない。今、考えているのは、FWに結果の残せる選手を獲得したい。国籍を問わずリストアップし、絞ってどの選手を獲得しにいくか検討している。センターバックも重要な補強ポイント

 西野TDはこうした面について「選手の編成を含め、万全の状態を作るために仕事をしている。シーズンが始まる時には、監督が言い訳をできないような体制を作るための仕事をしている」と言及。選手評価の部分では、ドイツ代表やマンチェスター・シティなどで導入されている、ドイツの「SAP」社のデータを活用する構想も明かした。

 大槻毅監督の続投について土田SDは、「今季はシーズン途中からの就任で、目の前の勝ち点に捉われて本来目指すサッカーはできなかった。来季は大槻監督の魅力ある攻撃的なサッカーを展開できると確信している」としている。

“変革の元年”を宣言した浦和は、迷走を繰り返した過去の歴史と決別する姿を見せることができるのか。中期、長期のプランが語られたなかで、短期的に苦しい時期を過ごす瞬間が訪れた時こそ、その真価が問われるのではないだろうか。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和レッズは3年改革で長期的なチーム強化を宣言した【写真:AP】


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