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優勝の立役者、M・ジュニオールと並んで得点王に「お互いを認めたライバル関係」

 横浜F・マリノスは7日、2004年以来15年ぶり4度目のJ1リーグ優勝を果たした。引き分け以上で自力優勝が決まる一戦をホームで迎え、2位FC東京との直接対決を3-0で勝利。日産スタジアムにはJリーグ史上最多となる6万3854人の観衆が集結した。今季、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を見せ、E-1選手権に臨む日本代表にも初選出されたFW仲川輝人は、15ゴールチームメートのFWマルコス・ジュニオールと並んで得点王に輝いた。

 この瞬間を待ち望んでいた。一瞬の静寂のなか、試合終了の笛が鳴り響き、割れんばかりの大歓声が会場を包んだ。仲川はピッチに膝をつき、下を向いて両手の人差し指を天に向けた。「本当に優勝しちゃったんだ……。笛が鳴った瞬間は頭が真っ白で考えられなかった」。両手に重くのしかかるシャーレを掲げた時、目の前に広がった光景を見てようやく実感できた。

「いやあ……優勝本当にしちゃったんだという気持ち。ビックリというか現実じゃないようなまるで異空間のような、ピッチ、スタジアムの雰囲気だったので。笛が鳴ってすぐは考えられなかったですけど、スタジアムを回る時とかシャーレを掲げる時ぐらいに本当、最高の景色を見られた。ファンサポーターにとっても、自分たちにとってもこの景色を見るために今シーズン努力してきたんだなと思いました」

 “ライバルFC東京は、最低でも4得点が必要だったこの一戦。序盤は相手の重圧に動揺しつつも、徐々にペースをつかんでいった。すると前半26分、タイ代表DFティーラトンが左足を振り抜いて、DFに当たりながらもゴール。欲しかった先制点が入ると、同44分にはFWエリキが今季8点目を決めて、2-0で前半を折り返した。後半32分には日本代表MF遠藤渓太がダメを押し、優勝を決定づけた。

 ここまでチームを牽引し、出場5試合連続ゴール天王山を迎えた仲川だが、前半24分にペナルティーエリア外からシュートを放つも惜しくも枠外。この日は無得点に終わったが、今季15ゴールチームメートのM・ジュニオールと並んでJ1得点王に輝いた。同一チームから2人の得点王はJ史上初だ。

「自分が思い描いていたのは、自分が点を取って優勝すること。それが理想でしたけど、とりあえず優勝して良かった。(M・ジュニオールとは)いい争いをしていたし、お互いを認めたライバル関係でいながら、相乗効果になったんじゃないかな。個人タイトルもうれしいけど、チームタイトルが一番」

15ゴールで得点王も…「20はいってもいいんじゃないか」

 プロ5年目。川崎フロンターレの下部組織で育ち、専修大学へ進学。15年に横浜FMに加入したものの、1年目はわずかリーグ戦2試合の出場に終わった。プロの壁にぶち当たり、16年途中にJ2のFC町田ゼルビアに期限付き移籍。翌年復帰するも、再びJ2アビスパ福岡へ武者修行に出た。横浜FMへ戻った昨季はJ1初ゴールを含む9ゴール。そして、今季は161センチの小柄な体格で、15ゴールを挙げた。仲川なくして優勝はできなかったが、本人は立派な「15」得点の数字にも首を横に振った。

「少ないんじゃないかな。もっと取れた試合もあるし、かため取りができていないので、それが自分の実力で課題。20(点)はいってもいいんじゃないか、と」

 飽くなき向上心があるからこそ、積み上げられたゴール。だからこそ、成しえた15年ぶりの優勝。横浜の街にシャーレが戻ってきた。

「去年苦しんで、降格するんじゃないかという不安もあったシーズンだったけど、それも含めて自分たちのサッカーをここまでやってこられたことが今日の優勝に値すると思う。Jでここまでハイラインスタイルはなかなかないなか、優勝できたことが自分たちに誇りを持てるチームスタイルだった」

 その名の通り“輝く人”――。今季の“主役”がこの日見せた笑顔は、これまでで一番光っていた。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

マルコス・ジュニオールと並んで得点王に輝いた仲川輝人【写真:高橋学】


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