(出典 tokuneta.info)



どんな選手であっても、旬というものが存在し、波に乗っている時期というのも存在する。その期間の長短によって、選手自身の評価も大きく変わるものだろう。

世界最高峰と称される選手はその期間が長く、かつ高い水準で結果を残し続ける。もちろん、そうでない選手の方が多いわけだが、今まさに旬を迎え、新たな境地に入りかけている選手がいる。それが、FW南野拓実だ。

◆早熟の南野、順調なステップ


セレッソ大阪の下部組織で育った南野は、ユース時代から得点力が開花。一気に注目を集めると、17歳トップチームに2種登録。いきなりJ1デビューを飾った。

翌年にはクラブが持っていたJ1最年少得点記録を更新。夏に行われたマンチェスター・ユナイテッドとのフレンドリーマッチでは全得点に絡む活躍で多くの注目を集めた。

2015年1月。20歳を目前にした南野は、オーストリアへ活躍の場を移す。C大阪から完全移籍したのは、レッドブル・ザルツブルク。オーストリアの強豪クラブであるが、南野はいきなりチャンスを掴む。

加入から1カ月でデビューすると、順調に出場機会を得て半年で3ゴールを記録。翌シーズンからは2シーズン連続で2桁得点を記録するなど、順調に成長していった。

◆苦しむも変化を見せた2シーズン


しかし、順調に見えた南野のキャリアにも壁が立ちはだかる。2017-18シーズン2018-19シーズンゴールという結果を伸ばすことができなかった。

リーグ戦では2017-18シーズンが28試合で7ゴール2018-19シーズンが26試合6ゴールチーム内でのポジションも、ユーティリティさを買われ、サイド(ウイング)でのプレーも増えることとなった。

一方で、その起用により南野のプレーの幅も広がったと感じる。元々シュートスキルが高かった南野だが、ポジショニングの上手さを身につけていった。さらに、オーストリアプレーすることで、フィジカル面が成長。当たり負けしない強さも身につけたシーズンだったと言えるだろう。

リーグ戦では大きな結果を残したシーズンではなかったが、ヨーロッパの舞台での成長を見せていたのだ。

ヨーロッパリーグに出場していた南野だったが、過去2シーズンは出場機会も少なく得点もなかった。しかし、2017-18シーズンに初ゴールを記録すると、2018-19シーズンは10試合で4ゴールを記録。新たなステージへの準備が徐々に整っていったと考えて良いだろう。

◆覚醒の2019年エースへの道


19歳で海を渡った南野も24歳になった。そんな南野だが、2019-20シーズンは大きな飛躍の年となりそうだ。

オーストリアブンデスリーガでは11試合に出場し3ゴール4アシストを記録。多くの得点に絡んでいる南野だが、圧巻は初めて立ったチャンピオンズリーグの舞台だ。

ヨーロッパリーグには出場したことがあった南野だが、チャンピオンズリーグに出場するのは初めて。するとここまでの4試合全てに先発し、1ゴール3アシスト。特に第2節のリバプール戦では、アシストに加え、豪快なボレーシュートを記録し、イギリスでも大きな話題となった。

大舞台で活躍することは、自身の評価を上げることにもつながり、24歳という年齢を考えれば、そろそろステップアップしたいところだろう。

早くから期待されていた南野と考えると、“やっと”という言葉が正しいのかもしれない。しかし、ここまで積み上げてきたもの、そして引き出しの数が増えたことが、クラブナショナルチームでの活躍に繋がっている。

かつてはセンターフォワードとしてプレーし、オーストリアではウイングとしてプレーすることで幅を広げた南野拓実。この先の日本を背負って立つ、新たなエースへの道を切り開いていると言って良いだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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