(出典 wired.jp)



国際サッカー連盟(FIFA)は25日、移籍システム改革案を発表した。イギリススカイスポーツ』が伝えている。

FIFAのステークホルダー委員会は25日、10月24日に開催予定の次回FIFA評議会に先立ち、現行の移籍システムにおいて問題視されている代理人(仲介人)へのコミッション(手数料)、チェルシーユベントスマンチェスター・シティなど一部ビッグクラブで横行する大量のレンタル移籍の制限などを目的とした改革案を明らかにした。

代理人の手数料に関しては、2016年フランス代表MFポール・ポグバユベントスからマンチェスター・ユナイテッドに移籍した際、代理人のミーノ・ライオラ氏に4000万ユーロ(約47億円)以上支払われたとの報道があったこともあり、ここ最近のサッカー界における問題のひとつとなっていた。

そして、FIFAは今回の改革案で代理人の受け取る手数料を以下のように制限する。

選手を売却する側のクラブに関しては、代理人(仲介者)に対して選手売却時に得た移籍金の手数料に関して上限10パーセントに制限される。前述のポグバの移籍では同選手がユベントスフリーで加入した際の交渉によって、同選手が5000万ユーロ(約59億円)以上の金額で移籍した場合、そのうちの45パーセントをライオラ氏が受け取ったと言われているが、今回の改革によって10パーセントしか受け取ることができなくなる。

また、選手の代理人に関しては、契約を結ぶ選手が移籍の際に受け取る報酬(契約金など)のうち、受け取れる上限は最大3パーセントに。これによって力のある代理人と無名の選手の間などで問題となってきた搾取の是正が期待される。

最後に獲得する側のクラブが、獲得した選手の代理人に支払う手数料に関しても上限が3パーセントに制限されるという。これにより手数料目当ての代理人主導で行われる選手の意にそぐわない形での移籍の減少が期待される。

また、FIFAは近年問題視される玉突き移籍などで暗躍するフィクサー的な働きを行う一部代理人の活動に関しても監視の目を強めていく意向を示しているようだ。

同時に移籍交渉を巡る代理人、選手、クラブの三者間の対立を解決するための新たなシステムの構築および、代理人ライセンスの再導入など幾つかのプランを構想しているという。

さらに、すべての代理人への支払いを監査するFIFAクリアリングハウスというシステムも作成中だ。

一方、一部のビッグクラブが大量の選手を獲得して自チームプレーさせることなく、国外のクラブを中心にレンタル移籍し、最終的に価値を高めて完全移籍で売却益を得る、“人身売買”とも揶揄されるレンタル移籍の手法に関しても、FIFAは是正を行うことに。

今回の改革案ではクラブアカデミートップチームトレーニング経験などがない21歳以上の選手に関して、2020-21シーズンからレンタル移籍の最大人数が8人に制限され、その2年後には最大6人に制限される予定だという。

この改革によってチェルシーユベントスマンチェスター・シティなど一部ビッグクラブは、移籍市場における戦略の見直しが求められるようになるかもしれない。

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(出典 news.nicovideo.jp)