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古巣との初対決を迎えたイニエスタ、色褪せぬ好パフォーマンスバルセロナを翻弄

 ヴィッセル神戸は27日、Rakuten Cupでバルセロナと対戦。試合には0-2で敗れたものの、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは古巣との初対決で色褪せぬ輝きを放っていた。現地取材に訪れていたスペイン人記者は、イニエスタが披露したパフォーマンスについて「試合はバルセロナが勝ったが、完璧なプレーヤーだったのは、イニエスタだった」と、笑顔で“白旗宣言”をした。

 イニエスタバルセロナの下部組織で育ち、2002年トップデビューを果たすと、世界最高のポゼッションサッカーと謳われた“ティキ・タカ”の中核をなす選手として、長年にわたりレギュラーに君臨し続けた。18年夏に22年間在籍してきたバルセロナを退団し、神戸での新たなチャレンジを決断。そして1年後の今夏、ついに古巣との初対決が実現することになった。

 前半45分のみの出場となったイニエスタだが、自らバルセロナレジェンドであることを証明するかのように、序盤から別格の存在感を放つ。前半4分、ペナルティーエリア手前でパスを受けると、鋭く反転して左足の強烈なミドルシュートを放つ。これはわずかにゴール左へ逸れたが、正守護神であるGKマルクアンドレ・テア・シュテーゲンを脅かす一撃となった。

 さらに前半10分、自陣でボールを保持したイニエスタがノールックで右サイドに大きなロングフィードを展開すると、走り込んでいたMF小川慶治朗へのピンポイントパスとなり、ドリブル突破からのビッグチャンスへとつなげた。神戸はボールイニエスタに集め、バルセロナ側もイニエスタにパスが通ることを想定してプレッシングをかけるが、ほとんどボールを失うことなく起点になり続けた。

 後半に入ると、両チーム揃って大幅な選手交代を敢行したが、神戸はイニエスタピッチを退いたことで、前半引けを取っていなかったポゼッションが難しくなり、一転してバルセロナボール支配率を高める展開に。最終的には途中出場のFWカルラス・ペレスの2発に沈むことになった。メンバーを丸ごと入れ替えても、質の高いパスワークを一貫してできていたバルセロナとの地力の差が浮かび上がる結果となった。

スペイン人記者も絶賛「依然として質の高いショートパスで見事な好機を作り出していた」

 一方、ノエビアスタジアム神戸まで現地取材に訪れていたスペイン放送局「TVカタルーニャ」のフランセスク・ラトーレ記者は、長年にわたりバルセロナを追っているが、イニエスタが依然としてトップクラスプレーを体現できていたことに脱帽し、衰えを知らないレジェンドの圧倒的な存在感に思わず笑顔を見せていた。

「彼にとってはスペシャルな試合になったと思うが、彼はトップレベルのパスワークを展開するバルセロナ相手でも際立っていたし、依然として質の高いショートパスで見事な好機を作り出していたと思う。試合はバルセロナが勝ったが、完璧なプレーヤーだったのはイニエスタだった」

 バルセロナが新シーズンの始動直後で調整段階にあったとはいえ、神戸は試合のなかで何度か本気で相手を慌てさせる場面を作った。そして、そのチャンスの起点には、常にイニエスタがいた。神戸は現在リーグ戦で15位に低迷しているが、イニエスタを軸とした戦術に磨きをかければ、少なくともこの順位にとどまるようなチームではないはずだ。(Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)

ヴィッセル神戸MFイニエスタ【写真:Noriko NAGANO】


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