著者:秕タクヲ

コパアメリカブラジルの優勝で幕を閉じ、今月に入り各クラブキャンプインし始めている。来週からはインターナショナルチャンピオンズカップ(プレシーズン大会)も開催され、8月開幕のリーグ戦を前に着々とチーム体制を整えていかなければならない。

今回は新たなシーズンを前に、私が考える「新シーズンの見どころ」をご紹介したい。


レアル・マドリード血の入れ替え】

4シーズン連続の欧州制覇の夢はアヤックスを前に潰えた。ベスト16という終わるべきではないステージで見事に散ったのを見て「一時代の終焉」を感じる人は多かったことだろう。ラ・リーガも3位、コパ・デル・レイも宿敵バルセロナに圧倒的な差を見せつけられ9シーズンぶりとなる無冠に終わった。

とはいえチャンピオンズリーグ3連覇の功績を残したことはまさに偉業であることには違いない。再起を誓うべく今夏レアル・マドリーは「大規模な手術」を敢行した。

シーズンオフに入るやいなや、フェルランド・メンディ、ルカ・ヨビッチ、そしてエデン・アザールの獲得を発表。連携もさながら個人で打開できる戦力を揃えチームの刷新を図る動きが見受けられた。

おそらく加入したメンバーを中心としたチーム編成になることは間違いない。新生レアルがどれほどのパフォーマンスを繰り広げるのか大いに期待したい。



セリエAが面白いことになりそう】

2018/2019シーズンユベントスの独走を止めるチームは現れずスクデットはユベントスのもとへ渡った。そんな前人未到の8連覇を達成したユベントスに待ったをかけるチームが今シーズン現れるかもしれない。今シーズンセリエAが非常に面白くなりそうだ。

近年のセリエAは、本命ユベントス、対抗馬にナポリローマといった勢力で優勝争いが繰り広げられていたが、より多くのチームでの争いになると確信している。それは昨シーズンの「ミランインテルの復活の兆し」や「アタランタ・ラツィオの躍進」を見ても明らかだろう。最終節までもつれ込んだチャンピオンズリーグ出場争いはハラハラさせられた。プレミアリーグのように、「どこが優勝してもおかしくない」戦国時代に突入し、一強時代にピリオドを打つことができるだろうか。

しかし、ユベントスも先手必勝という言葉の如く対策を講じている。今シーズンからマウリツィオ・サッリがビアンコネロを率い、またお家芸でもある「0円移籍」でアーロンラムジーやアドリアン・ラビオを獲得。従来のチームから更にアップデートされた印象を伺える。

地力が番狂わせか。今シーズンセリエAは大注目だ。




プレミア中堅の逆襲とそれに飲み込まれそうなユナイテッドアーセナル

イングランドにおいても、変化の時に差し掛かろうとしている。

プレミアリーグの放映権の高騰により配分された資金を活用した結果、どのチームビッグネームを加入させることのできるようになった。そのためプレミアリーグの中堅クラブでも容易く強豪に善戦するようになり、ますます優勝争いが読めなくなるのではないかと考察する。

特に、ウルブス・レスターエバートンウェストハム・ワトフォードには注目だ。昨シーズン上位争いが熾烈を極めている中、水面下でこの5チームの7位を争う「エバートンカップ」も異常な盛り上がりを見せた。ローンプレミアリーグにやってきたアンドレゴメスユーリ・ティーレマンスも完全移籍で合意することが決まり、チームは成熟度とともに飛躍することは確実だ。

いわゆるビッグ6と言われる6チームの強豪だが、昨今躍進の目立つ中堅クラブに今にも飲み込まれそうなマンチェスターユナイテッドアーセナルは今シーズンが正念場と私は考える。

ビッグネームの移籍が多かったユナイテッドだが今シーズンはこれまでの課題を把握し、それに対する処方箋を探求する姿勢には非常に好感を持てる。スールシャール体制の序盤は破竹の快進撃を繰り広げたこともあり驚異的なエネルギーを秘めていることは明らかだ。今までにない中長期的ビジョンで戦略立てをすれば、再びユナイテッドがあるべき位置にまで上り詰めると確信している。

問題はアーセナルだ。従来ではチャンピオンズリーグ出場が当たり前だった時代から、今ではヨーロッパリーグの常連になってしまった。昨シーズン長期政権だったアーセン・ベンゲル氏からウナイ・エメリ氏へ指揮官を交代し、新たなDNAで挑んだがずっと言われ続けた「守備面」や「柔軟性」といった課題の解決には至っていない。魅力的な2トップを保有しているだけに何とか改善を施したいところだ。このままの調子で進むのなら、前述の中堅クラブにさえ勝利することは困難になり、「俺たちは強い」から「あの時は強かった」と語ることになるかもしれない。



【若手躍動のシーズンにもなるだろう】

更には今シーズンは若手選手たちの動向にも注力していこう。

理由は主に2つある。1つは6月に開催されたU-21EUROでこれからのサッカー界を担う可能性のある、前途有望な選手が活躍したこと、もう1つは2020年開催の東京オリンピックに照準を合わせる選手が増えてくることだ。

特にU-21EUROで優勝を収めたスペインの若手株には注目だ。既にビッグクラブで出場機会を得ている、パブロ・フォルナルスやダニ・セバージョス、ファビアンルイス大車輪の活躍を見せ昨シーズンよりも注目度は増している。またイタリア代表として出場したフェデリコ・キエーザはベルギー戦でワールドクラスゴールを決め、イタリアサッカーの未来を少し感じることができた。

東京オリンピックで彼らの活躍を観ることができるかもしれないので、事前にチェックすることを推奨したい。


 



(出典 news.nicovideo.jp)