(出典 i.daily.jp)



ここまでトップ下とサイドハーフプレー、どの形で起用するのがベストなのか

 今、日本のサッカー界で最も注目を集めている1人は、間違いなく18歳のMF久保建英FC東京レアル・マドリード)だろう。A代表デビューを飾ったばかりの若者は、直後にスペインの名門レアルへの電撃移籍が決まるなど話題をさらった。“日本の至宝”とも称される逸材をどのような形で起用するのがベストなのか。気が早いのは承知ながら、新鋭アタッカー起用の“最適解”を探る。

 久保はバルセロナの下部組織で長年プレーし、2015年3月よりFC東京U-15むさしに加入。16年にFC東京U-18に昇格すると、17年11月16歳でプロ契約を結んだ。18シーズンの前半はFC東京プレーし、夏から横浜F・マリノスへ期限付き移籍。今季から再びFC東京プレーし、攻撃の一翼を担って存在感を放っている。

 そんな久保が国内での注目度を高めたのは、今月9日のエルサルバドル戦(2-0)だ。後半22分から途中出場し、史上2番目の若さとなる18歳5日でA代表デビューを飾った。そのままコパ・アメリカ南米選手権)の代表メンバーにも継続招集されると、現地合宿がスタートした直後の14日にレアル移籍(Bチーム)が決定。その一報に海外メディアが色めき立ち、「KUBO」の名前は一夜にして世界を駆け巡った。

 代表デビューから4試合に出場している久保の起用時間と起用ポジションは以下のとおりだ。

1 6月9日 エルサルバドル戦(2-0) 後半22分から出場(トップ下)
2 6月17日 チリ戦(0-4) フル出場(トップ下)
3 6月20日 ウルグアイ戦(2-2) 後半38分から出場(右サイドハーフ
4 6月24日 エクアドル戦(1-1) フル出場(トップ下)

 ここまでトップ下で3試合、右サイドハーフで1試合に出場しており、いずれかが主戦場となりそうな気配だ。そうした事実を踏まえつつ、7つの布陣に久保を組み込んで検証する。

【布陣1/4-2-3-1/トップ下】最もオーソドックスな形、スムーズプレーが可能

 これまでの起用法を踏まえて、最もオーソドックスな形と言える。現在、A代表の基本布陣となる4-2-3-1のなかで、南野拓実(ザルツブルク)が起用されているトップ下に久保が入る布陣だ。コパ・アメリカでもトップ下として2試合で先発出場しており、柔らかいタッチに加え、高いテクニックで攻撃陣を操った。エルサルバドル戦でも1トップ大迫勇也ブレーメン)、右サイドハーフのMF堂安律(フローニンゲン)と共闘しており、スムーズプレーが可能だろう。

【布陣2/4-2-3-1/右サイドハーフFC東京プレー、一気に駆け上がる様は爽快

 FC東京では4-4-2の右サイドハーフでフル稼働しており、コパ・アメリカウルグアイ戦では4-2-3-1の右サイドハーフに入った。献身的に守備をこなしつつ、機を見て攻撃のギアを一気に入れて駆け上がる様は爽快。代表レベルでは、激しい上下動とインテンシティーが求められるなかで消耗のスピードも早くなりそうだが、フィジカルも向上しているため、今後はさらに問題が少なくなってきそうだ。

【布陣3/4-3-3/右ウイングボールタッチ数が増加? 厚みのある攻撃も可能に

 右サイドで攻撃の起点となり、カットインからのシュートラストパスが期待できるポジションだ。インサイドハーフ柴崎岳(ヘタフェ)や香川真司(ベジクタシュ)を起用すればパス回しが潤滑になり、久保のボールタッチ数が自然と増える。左の中島翔哉(アル・ドゥハイル)、右の久保を起点に両サイドバックも加わった仕掛けができれば、厚みのある攻撃が実現しそうだ。

【布陣4/4-3-3/インサイドハーフ】パスセンスを生かしつつ、要所でドリブル突破

 久保をパサー寄りで起用するならインサイドハーフも一案だろう。コパ・アメリカではラストパス本数(データ会社「OPTA」)でグループリーグ最多の8本をマークコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスバイエルン)の6本、チリ代表FWアレクシス・サンチェスマンチェスター・ユナイテッド)の7本を上回る数字を残した。パスセンスを生かしつつ、要所でマークを外すドリブルから打開を図るという意味では最適なポジションだ。

【布陣5/4-1-4-1/インサイドハーフタレントを惜しみなく起用した“超攻撃的陣容”

 現在の日本代表で2列目を担う中島、南野、堂安を起用しつつ、久保も加えるならば4-1-4-1もあり得る形だ。南野が積極的に裏へ抜ける動きをすれば、変則的な4-1-3-2のような形となる。ボランチの守備の負担は間違いなく増すが、攻撃の鋭さと破壊力が何よりも魅力的。タレントを惜しみなく起用した“超攻撃的”とも言えるが、劣勢時やゴールが欲しい時のオプションにはなり得るだろう。

【布陣6/3-4-2-1/シャドー】出し手にも受け手にもなれる久保の攻撃性能が生きる形

 6月シリーズで採用した3-4-2-1システムに当てはめるならシャドー起用となる。前線3人の連係がモノを言うなか、シャドーでコンビを組む味方に応じてプレーを変えられるのも久保の魅力だ。出し手にも受け手にもなれるなか、局面に応じて目まぐるしく役割を変え、久保の攻撃性能が存分に生きるだろう。

【布陣7/3-4-1-2/トップ下】2トップを操り、前線の3人で攻撃の完結も可能

 2トップの後方に久保が入り、トップ下としてタクトを振るう形だ。2シャドーと形は似ているが、久保がボールを受けた際、プレー選択肢をできるだけ多くするために2トップを基本形とするのも手だろう。状況判断能力に優れている久保は、2トップの動き出しを見逃さずに上手く生かすはずだ。前線の3人だけで攻撃を完結できる点も魅力で、後方で守備ブロックを形成し、速攻も可能となりそうだ。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

日本代表MF久保建英【写真:AP】


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