(出典 besthqwallpapers.com)



2018-19シーズンチャンピオンズリーグ(CL)決勝、トッテナムvsリバプールが日本時間6月1日28:00からスペイン・マドリードエスタディオメトロポリターノで開催される。初のファイナル進出でCL初優勝を目指すトッテナムと、2年連続のファイナル進出で2004-05シーズン以来、通算6度目のヨーロッパ制覇を目指すリバプールによる、11年ぶりのイングランド勢同士のファイナルだ。

昨夏、今冬の移籍市場で新戦力補強ゼロに終わり、多くの負傷者に悩まされたトッテナム。それでも、就任5年目となったポチェッティーノ監督の下、チームとしての一体感、アルゼンチン指揮官の多彩な戦術を武器にバルセロナインテルPSVと同居した厳しいグループで2位通過を果たす。さらに、決勝トーナメントではドルトムントマンチェスター・シティアヤックスと難敵を相手にまるで漫画や映画のような劇的過ぎる勝ち上がりをみせ、クラブ史上初のファイナル進出を果たした。

◆劇的に次ぐ劇的な戦いぶり!

一方、昨季ビッグイヤー獲得に迫りながらもレアル・マドリーとのファイナルで散ったリバプールは昨夏、新守護神アリソン、MFファビーニョ、MFナビ・ケイタ、FWシャキリら積極補強に打って出て課題の守備の改善に着手。そして、パリ・サンジェルマン(PSG)、ナポリ、ツルヴェナ・ズヴェズダと同居したグループを2位通過を果たし、決勝トーナメントではバイエルンポルトを連破。そして、優勝候補バルセロナと対峙した準決勝では1stレグの0-3の敗戦からホームでの2ndレグで4-0と逆転するCL史に残る大逆転劇で2年連続のファイナル進出を決めた。

◆敵地で苦戦も要塞アンフィールドで圧巻の強さ!

チームUEFA主催大会での対戦は今回が通算3度目。1972-73シーズンUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)準決勝では共にホームチームが勝利もリバプールがアウェイゴール数の差で勝ち上がっている。また、ポチェッティーノ監督とクロップ監督の就任以降の両者の対戦成績はリバプールの4勝1敗4分けとなっており、今季プレミアリーグでの2度の対戦は共にリバプールが2-1のスコアで勝利している。

前述の対戦成績と今季のプレミアリーグの順位(リバプール2位97pt、トッテナム4位71pt)を考えれば、リバプールの圧倒的優位は揺るがない。その一方で、懸念材料はクロップ監督のカップ戦決勝における戦績だ。ドイツ指揮官リバプール2017-18シーズンにCL、2015-16シーズンにEL、ドルトムント時代の2012-13シーズンにCLと3度のファイナルすべてで敗戦。

さらに、国内カップではドルトムント時代の2011-12シーズンにDFBポカール制覇を経験も、ドルトムントで2度、リバプール2015-16シーズンのEFLカップ決勝で敗退と、“シルバーコレクター”という嬉しくない称号を持っている。なお、ポチェッティーノ監督の指導者キャリアで唯一のカップファイナル2014-15シーズンのEFLカップ決勝だったが、このときはチェルシーに0-2で敗れている。

また、アトレティコ・マドリーの本拠地であるエスタディオメトロポリターノでの中立地開催という部分で気になるのは、今季CLにおけるアウェイゲームの戦績だ。トッテナムアヤックスドルトムントに勝利しバルセロナ相手に引き分けるなど2勝2敗2分け。一方、リバプールバイエルンポルトに勝利も格下ツルヴェナ・ズヴェズダに完敗するなど2勝4敗。新スタジアム建設の関係で聖地ウェンブリーを長らく間借りした経験も含めれば、この部分ではトッテナムにやや分がありそうだ。

なお、今回の決勝を裁くのはスロベニア人審判のダミル・スコミナ氏。2016-17シーズンアヤックスvsマンチェスター・ユナイテッドのEL決勝や2度のユーロロシアワールドカップ(W杯)を経験したベテランフェリーだ。

今季CLではラウンド16の1stレグ、アヤックスvsレアル・マドリーでCL史上初のビデオアシスタント・レフェリー(VAR)を用いてアヤックスのDFニコラス・タグリアフィコのゴールを取り消した。さらに、PSGvsユナイテッドでは試合終了間際にDFプレスネル・キンペンベのハンドをVARの末に取り、結果的にPSGベスト16敗退に追い込んだことが話題になっていた。

トッテナム
【4-2-3-1】

トッテナム予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ロリス
DF:トリッピアー、アルデルヴァイレルト、ヴェルトンゲン、ローズ
MF:ムサ・シソコ、ウィンクス
MF:エリクセン、デレ・アリ、ソン・フンミン
FW:ケイン
負傷者:なし
出場停止者:FWヤンセン(登録外)

出場停止者はいないが、CL登録メンバー外のヤンセンが起用できない。負傷者に関しては長期離脱明けのケインウィンクスの2人に、ヴェルトンゲン、ダビンソン・サンチェスのコンディションに不安が残るものの全選手が起用可能な状態だ。

システムに関しては3バックの可能性は低いが、[4-2-3-1]、[4-3-1-2]のどちらを採用するか微妙な状況だ。また、スタメンに関してはケインウィンクスの起用が難しい場合、ルーカス・モウラとワニャマが代役を担う。また、デレ・アリをベンチに置きルーカスとソン・フンミンを両ウイングに配する形も想定される。

リバプール
【4-3-3】

リバプール予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:アリソン
DF:アーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ヘンダーソン、ファビーニョ、ワイナルドゥム
FW:サラー、フィルミノ、マネ
負傷者:MFナビ・ケイタ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはナビ・ケイタが唯一の欠場となり、直近数試合を欠場していたフィルミノも先発に戻れる見込みだ。

スタメンに関してはフィルミノの先発起用が難しい場合、FWオリジが代役に入ってワイナルドゥムとミルナーの激しいポジション争いではワイナルドゥムを先発予想とした。

★注目選手
トッテナム:MFムサ・シソコ
トッテナムの注目プレーヤーは、加入3年目で完全覚醒した救世主シソコだ。ニューカッスルから加入してからの直近2シーズンはポチェッティーノ監督やファンの期待を大きく裏切ってきたシソコだが、今シーズンは圧倒的な身体能力とスタミナ、ユーティリティー性を武器に、セントラルMFの主力として公式戦43試合に出場。相手をなぎ倒すドリブルに抜群のキープ力、被カウンター時を中心にスピードに乗った相手アタッカーを捕まえ切る好守備で、世界屈指のボックス・トゥ・ボックスプレーヤーに進化を遂げた。そして、先日にはクラブレジェンズが選ぶ今季の年間MVPを受賞した。

今回のリバプール戦においてはキーマンの1人であるマネとロバートソンの相手左サイドのケア、中盤に落ちて起点となるフィルミノの監視という守備面のマルチタスク。攻撃面では相手ウイングが外へのパスコースを切って中に誘導する守備を採用する中、ニューカッスル時代の盟友ワイナルドゥムやミルナー、ヘンダーソンとの肉弾戦を制してボールキープし、クリーンボールを前線の味方に届ける仕事が求められる。また、リーグ戦での前回対戦では後半終盤のカウンターチャンスでDFファン・ダイクの“パーフェクトディフェンス”に阻まれたことが注目を集めてしまい、その屈辱を振り払いたい。

過去2年間の困難を受け入れ、多くの批判に晒された中でも自身を信じて努力を重ねてきたシソコ。その美しき再生のシーズンの締めくくりは、自身の今季初ゴールでのクラブ史上初のCL制覇。そして、試合後のエスタディオメトロポリターノでスパーズファンによる、「Oh Moussa Sissoko」の大合唱が鳴り響くか。

リバプール:FWモハメド・サラー
リバプールの注目プレーヤーは昨季ファイナルで無念の負傷交代となったエースのサラーだ。昨夏、ローマから加入して瞬く間にアンフィールドファラオとなったエジプト代表FWは、昨季の公式戦52試合で44ゴール16アシストと驚異的なスタッツを記録。プレミアリーグ得点王を始め、リーグ年間MVPなど獲得可能な個人タイトルをほぼ独占する最高のシーズンを送った。ただ、唯一の心残りがレアル・マドリーとのCL決勝での負傷交代だった。

今季は22ゴールで2年連続リーグ得点王に輝いた一方、相手の徹底マークに遭い昨季ほどのインパクトを残すことができず。また、バルセロナとの準決勝2ndレグでは直近のリーグ戦で負った脳震とうによって相棒フィルミノと共にスタンドからチームの劇的勝ち上がりを見守ることになった。そのため、チームに連れてきてもらった2年連続のCL決勝の舞台では誰よりも強い気持ちで臨むはずだ。

リバプール加入後の対トッテナムの成績は4試合で3ゴールと相性が良い。今季の2度の対戦ではゴールこそなかったが、直近の対戦では試合終了間際に相手のオウンゴールを誘発するヘディンシュートを放っていた。休養十分で臨む今回の一戦では鋭い仕掛けで対面のDFローズとDFヴェルトンゲンの壁を破り、エースとして決定的な仕事を果たすと共に快足を生かした前線からのプレスでもチームを助けたい。

◆最注目はソン・フンミンvsアーノルド!

◆世界最高峰のプレッシングゲームに!
サムネイル画像


(出典 news.nicovideo.jp)