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オランダ代表FWが引退会見で語った4つのスーパーゴール

 フェイエノールトの元オランダ代表FWロビン・ファン・ペルシーが、今季限りで現役生活に別れを告げた。プレミアリーグで長年にわたって活躍した偉大なストライカーは、5月12日に行われたホーム最終戦のエールディビジ第34節ADOデンハーグ戦(0-2)で引退セレモニーを行った。その後の記者会見で自身の生涯ベストゴールを挙げたと、オランダ紙「アルゲメン・ダグブラド」が報じている。

 フェイエノールトの下部組織で育ったファン・ペルシーは、2002年2月にトップチームデビューを果たした。当時所属していた小野伸二(現・北海道コンサドーレ札幌)らと共闘し、初年度からUEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)優勝に貢献している。当時は左サイドを主戦場としていたが、04年にアーセナルへ移籍し、07年にティエリ・アンリが退団したことで転機を迎えることになった。

 07-08シーズンは負傷のためシーズンの大半を棒に振ったが、08-09シーズンは公式戦44試合に出場して20ゴール14アシストを記録。ストライカーとしての地位を確立していくことになった。そして11-12シーズンにはプレミアリーグ38試合に出場して30得点を挙げ、得点王に輝いている。翌シーズンにはマンチェスター・ユナイテッドに移籍。38試合に出場して26得点を挙げて2年連続で得点王となり、リーグ優勝に大きく貢献した。15年にトルコのフェネルバフチェへと渡り、昨年1月に古巣フェイエノールトへ復帰。18年10月に今季限りでの現役引退を発表していた。

 引退セレモニーが開かれた試合後に記者会見場に現れたファン・ペルシーは、現役生活18年間のベストゴールを問われると、4つのゴールを挙げた。

 最初にファン・ペルシーが挙げたのは、2014年ブラジルワールドカップ(W杯)のグループリーグ第1戦スペイン戦(5-1)でのダイビングヘッドによるゴールだった。前回大会の王者スペインと対戦したオランダ代表だったが、「誰もが0-6で負けるだろうと思っていた」というなかで同点ゴールを挙げている。1点ビハインドで迎えた前半44分、左からのアーリークロスに合わせて最終ラインの裏を突き、ダイビングヘッドゴールを奪取した。前に出ていた相手GKの頭上を越える弾道を作り出しているが、ロケットのような軌道でゴールネットに突き刺さっている。本人はその得点を「本当にクールだった」と振り返っている。

最後に挙げたゴールは優勝を決めた美ボレー 「特別だった」

 2つ目には、アーセナル時代のゴールピックアップした。2006年9月30日に行われたプレミアリーグ第7節チャールトン対アーセナル(1-2)で決めた、ジャンピングボレーシュートを挙げている。「夏の間に練習していた」と語ったシュートは、“フライング・ダッチマン”と呼ぶにふさわしい一撃だった。右からのクロスにペナルティーエリア外から走り込み、クリアしようとする相手の前に飛び込んで左足のジャンピングボレー。エリア外からゴールへ叩き込むスーパーゴールだった。

 「どこかバルセロナファンのようなところもあった」と明かしたファン・ペルシーが、3つ目に挙げたのはバルサ戦でのゴールだった。2010-11シーズンUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦で、アーセナルバルセロナと対戦。ホームで迎えた第1戦(2-1)で、ファン・ペルシーは同点となる得点を挙げている。ペナルティーエリア左へ抜け出してボールを受け、クロスを入れるように見せてGKとニアポストのわずかな隙間を通したゴールだった。角度のないところからピンポイントコースを突いたハーフボレーは、ライフルのような威力に正確性が伴ったシュートだった。その後アーセナルが逆転し第1戦を勝利したが、第2戦ではアウェーで1-3と敗れ、CL敗退が決まった。

 そして最後に挙げたのは、ユナイテッドプレミア制覇を決めた試合での一発だった。2012-13シーズンプレミアリーグ第35節アストン・ビラ戦(3-0)は、勝てば優勝が決まる状況だった。開始早々の前半2分に先制点を挙げたファン・ペルシーは、同13分に2点目を挙げた。元イングランド代表FWウェイン・ルーニー(現・DCユナイテッド)が、自陣のハーフウェーライン付近から前線へロングボールを送り込み、ユナイテッドカウンターアタックが発動。相手から離れるようにして裏へ抜け出したファン・ペルシーは、約40メートルロングパスをダイレクトボレー。ゴールサイドネットシュートを突き刺した。本人も「あれは特別だった」と振り返ったゴールは、優勝を引き寄せたゴールとなった。その後、同33分にも追加点を挙げたファン・ペルシーは、この試合でハットトリックを達成しプレミアリーグ制覇を成し遂げた。

 これまで数多くのスーパーゴールを生み出してきたファン・ペルシーオランダが生んだ名レフティーの輝きは、今後も語り継がれていくはずだ。(Football ZONE web編集部)

フェイエノールトのFWファン・ペルシー【写真:Getty Images】


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