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チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、バルセロナvsマンチェスター・ユナイテッドが日本時間16日28:00にカンプ・ノウでキックオフされる。敵地で先勝し4年ぶりのベスト4進出に大前進のバルセロナと、0-2で敗れた初戦から奇跡のカムバックを果たした前ラウンドの再現を目指すユナイテッドによる、運命の第2戦だ。

今月10日にオールド・トラフォードで行われた1stレグでは前半の12分にFWスアレスのヘディンシュートがDFショーオウンゴールを誘い、アウェイバルセロナが先制に成功。その後は守護神デ・ヘアの再三の好守もあり、ユナイテッドが焦れずに盛り返してペースを掴んだものの、古巣対戦のDFピケの獅子奮迅の活躍もありアウェイチームが最後までホームチームの枠内シュートをゼロに抑え込み、1-0のスコアオールド・トラフォードでの初勝利を手にした。

アトレティコ・マドリーとの頂上決戦から中2日という過密日程を感じさせられるプレー内容ながらも試合巧者の戦いで敵地での初戦をモノにしたバルセロナ。国内リーグではその初戦の反省もあってか、リーグ最下位のウエスカ相手のアウェイゲームで守護神テア・シュテーゲンを除くフィールドプレーヤー全選手を入れ替えて臨み、乏しい内容ながらも最低限の勝ち点1を持ち帰ることに成功した。DFスモーリングとの接触で鼻骨骨折の可能性も指摘されたエースFWメッシも大事を避けられており、ホームで戦う今回の試合では“真のバルセロナ”の力が見られるはずだ。

一方、本調子ではないバルセロナに地力の差を見せられながらもホームで最少得点差での敗戦とわずかながら2ndレグに望みを繋いだユナイテッド。先週末に行われたリーグ戦では熾烈なトップ4争いに身を置く状況もあって、バルセロナ戦でプレーした6選手を引き続きスタメンで起用。ウェストハム相手に大苦戦を強いられながらもMFポグバの2つのPK、デ・ヘアの圧巻のショットストップにも助けられて2-1の勝利を手にし、今回の大一番に弾みを付けることに成功した。

なお、バルセロナ2013年5月に行われた2012-13シーズン準決勝1sレグ、バイエルン戦での0-3の敗戦以降、CLにおけるホームゲームで30戦無敗(27勝3分け)を継続中。これはCL歴代最多無敗記録となっている。また、ユナイテッドはカンプ・ノウでのバルセロナ戦でこれまで1度も勝利がない。ただ、ユナイテッドにとってカンプ・ノウは1998-99シーズンのCL決勝でバイエルン相手に試合終了間際の連続得点で劇的な逆転勝利を飾り、シーズントレブルを飾った縁起の良い場所でもある。そして、その決勝点を記録したユナイテッドプレーヤーこそ、現指揮官のオーレ・グンナー・スールシャール監督その人だ。今回の一戦ではバルセロナの圧倒的ホームアドバンテージが発揮されるか、スールシャールの神通力が再びユナイテッドに奇跡をもたらすか。

最後に両者の勝ち抜けの条件はバルセロナが引き分け以上で文句なし。一方、ユナイテッドはアウェイゴール2点以上を奪っての1点差以上の勝利で逆転突破が決まる。なお、ユナイテッドが1-0のスコアで90分の戦いを終えた場合のみ、延長戦へと突入する。(延長戦でもアウェイゴールが適用)

バルセロナ
【4-3-3】

バルセロナ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:テア・シュテーゲン
DF:ネウソン・セメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:ラキティッチ、ブスケッツ、アルトゥール
FW:メッシスアレス、コウチーニョ
負傷者:DFヴェルメーレン、MFラフィーニャ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては筋肉系のトラブルを抱えていたセルジ・ロベルトと体調不良のラキティッチが回復し、直近のウエスカ戦で戦列復帰のデンベレを含めて全主力の起用が可能だ。

スタメンに関しては1stレグと同じメンバー起用が濃厚だが、アルトゥールのポジションにセルジ・ロベルトかビダル、コウチーニョに代えてデンベレの起用も想定される。また、中盤のフィジカル勝負、セカンドボールの拾い合いを考慮して中盤フラットの[4-4-2]の早い時間帯の導入もあるかもしれない。


マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:デ・ヘア
DF:ジオゴ・ダロト、スモーリング、リンデロフ、ヤング
MF:マクトミネイ、フレッジ、ポグバ
MF:リンガード
FW:ルカク、ラッシュフォード
負傷者:DFバイリー、バレンシア、MFエレーラ
出場停止者:DFショー

1stレグで警告を受けたショーが累積警告により出場停止となる。負傷者に関しては1stレグを欠場したマティッチ、サンチェスらがメンバー入りした一方、エレーラ、バイリーが引き続き起用できない。

1stレグではショーを3バックの一角に配した[3-5-2]の布陣で臨んだが、敵地で逆転突破に向けてより攻撃的な[4-3-1-2]、あるいは[4-3-3]の採用が濃厚だ。スタメンに関しては1stレグのメンバーを軸に中盤に機動力と守備の強度をもたらせるリンガードトップ下起用が濃厚だ。サンチェスとマルシャルは相手の運動量が落ちた時間帯の切り札起用となる見込みだ。よりフィジカルに戦う場合はリンガードに代えてマティッチを起用し、ポグバトップ下起用もあるはずだ。

★注目選手
バルセロナ:MFセルヒオ・ブスケッツ
バルセロナの注目プレーヤーピッチ上の指揮官とも評される司令塔のブスケッツだ。30歳を過ぎて勤続疲労の影響か、今季は今まで見られなかったイージーなミスも散見されるようになったブスケッツだが、バルセロナの中盤の底になくてはならない存在だ。とりわけ、ゲームコントロールやパスワークリズムを作る役割においては右に出るものはいない。ホームで逃げ切りが求められる今回の一戦ではそのゲームコントローラーとしての役割が非常に重要となる。

敵地での前回対戦では相手のフィジカルな中盤、2トップとの競り合いにおいて劣勢を強いられた結果、守備で入れ替わられる場面や相手の圧力を受けてのミスパスやボールロストとらしくないプレーに終始。ただ、アトレティコとの頂上決戦から中2日という過密日程はエクスキューズの1つに挙げられる。そのため、休養十分で臨める今回の試合では本来の老獪なプレーを見られるはずだ。守備面における球際の勝負に加え、プレミアリーグに近いターンオーバーの応酬に持ち込みたい相手の意図をくみ取って、自分たちの戦い易いゲームテンポに落ち着かせるようなゲームメークを期待したい。

マンチェスター・ユナイテッド:FWロメル・ルカク
マンチェスター・ユナイテッドの注目プレーヤーは初戦で相手守備陣を苦しめたルカクだ。世界屈指のフィジカル能力を持つ190cmの偉丈夫は、フィジカル系ストライカーに苦戦傾向があるバルセロナ相手にホームでの初戦でも十分に通用した。チーム全体の機能性もあって自らがシュートシーンに持ち込む展開はほぼなかったが、屈強なセンターバックコンビ相手に互角以上にボールを収めて味方の攻め上がる時間を促したり、ビルドアップで詰まった際のロングボールという逃げ道を作っていた。

今回の一戦に向けては1stレグ同様に前線で基準点を作る仕事と、チームを勝利に導くゴールスコアラーの仕事が求められる。初戦ではチーム戦術、個人戦術の部分でよりフィジカル勝負で優位に立てるサイドに流れるプレークロスが入った際のファーでのサイドバックとの競り合い勝負という形が徹底されておらず、今回の試合ではその形を徹底していきたい。また、PSG相手に敵地で2ゴールを奪った前ラウンドの勝負強さの再現を目指したい。
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(出典 news.nicovideo.jp)