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中島がボールを受けた瞬間に連動 「ブレない“世界観”をチーム全体に分からせている」

 日本代表MF中島翔哉(アル・ドゥハイル)は26日、国際親善試合のボリビア戦に後半16分から途中出場し、決勝ゴールを決めて1-0の勝利に貢献した。相手の守備を崩せずスコアレスが続いたなか、日本の攻撃を一変させた中島のプレーを、元日本代表の“名ドリブラー”金田喜稔氏も絶賛。現チームにおける影響力の大きさについて、バルセロナ時代の元ブラジル代表MFロナウジーニョの名前を出して称えた。

 森保一監督はこの試合に、22日のコロンビア戦(0-1)からスタメン総入れ替えで臨み、2列目には左からMF乾貴士(アラベス)、MF香川真司(ベジクタシュ)、MF宇佐美貴史デュッセルドルフ)が並び、最前線にはFW鎌田大地(シント=トロイデン)が入った。序盤からボールを保持し攻め込む日本だったが、思うようにボリビアの守備を崩せず、後半に入っても膠着した状態が続く。そして後半16分に中島とMF堂安律(フローニンゲン)、同23分にMF南野拓実(ザルツブルク)が投入されて2列目の顔ぶれが変わると、攻撃の鋭さが増した。そして同31分、カウンターの場面で堂安から南野につなぎ、左サイドでパスを受けた中島が中央への切り返しから右足を一閃。鋭いグラウンダーのシュートが相手選手の股下を抜けてネットを揺らした。

 その後もドリブルやパスで日本の攻撃にリズムを与え、相手ゴールに迫り続けた中島のパフォーマンスを、金田氏も「与えられた短い時間の中でもやり切る男。中島は自分のプレーに対して本当にブレない。自信があることはもちろんだけど、どうやって楽しもうかというのを本当に考えながらプレーできている」と評価する。

 昨年9月に森保体制が発足して以降、日本代表における中島の存在感は高まるばかりだが、金田氏は「自らのブレないプレーの“世界観”を、チーム全体にすでに分からせているところに凄さを感じる」と、攻撃陣に不可欠な選手になっていると断言。そのうえで、サッカー史に残る天才プレーヤーであるロナウジーニョを引き合いに出し、次のように凄みを語った。

たとえミスになっても「“分かり合えている”からダメージは少ない」

「例えばバルサにいた頃のロナウジーニョは、3トップの左サイドに構える彼にボールが入った瞬間に中が連動して動いていた。それはロナウジーニョボールの持ち方、運び方、プレービジョンなどをチーム全員が理解して、このタイミングでここにランニングをしたら絶対にボールが出てくると確信していたから、チーム全体が連動していく。たとえロナウジーニョから出たパスがミスになってつながらなくても、それは“タイミングのミス”ではなく、あくまで技術的なミスだった。

 今の中島の姿はまるであの頃のロナウジーニョのようで、日本代表チームメートとの関係にも同じような信頼関係があるように見える。中島の足もとにボールが入った瞬間に南野も堂安も、1トップの選手もサイドバックも信じて動き出す。中島もそうした味方の動きをしっかり把握しているし、そこを使おうと狙っている。だからキックミスなどでパスがつながらなくても、お互いのタイミングが合っていて“分かり合えている”からダメージは少ない。これはお互いが理解し合えていないまま、パスがつながらないのとは訳が違う。代表という限られた時間のなかで、自分のプレースタイルを周りの選手に理解させているのは本当に凄いし、これを繰り返すことでコンビネーションはもっと磨かれる」

 昨年のウルグアイ戦後(4-3)にDF長友佑都ガラタサライ)が「ドリブルお化け」と称したように、自らが仕掛けて敵陣を切り裂くプレーが中島の最大の特長であることは間違いないが、ボールが入った瞬間にチーム全体が動き出す攻撃のスイッチ役としての影響力も高まるばかり。香川との共存、FW大迫勇也ブレーメン)以外の1トップとの連係、ボランチやサイドバックなど守備面でのサポート態勢など、森保ジャパンは中島を軸としたチーム作りがさらに進んでいくのかもしれない。(Football ZONE web編集部)

金田氏はロナウジーニョを引き合いに出し、中島の動きを称賛した【写真:Getty Images】


(出典 news.nicovideo.jp)