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ボリビア戦で1-0勝利、「多くのオプションを試した」と森保采配に一定の評価

 日本代表は26日、ノエビアスタジアム神戸でボリビア代表との国際親善試合を戦い、1-0で勝利を収めた。前半を0-0で折り返すと、後半31分にMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)が先制点を奪取。その後も無失点に抑え、完封勝利を達成した。

 かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボールアジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、ボリビア戦で森保一監督が多くの新戦力を試したことに理解を示したうえで、中島の投入までチャンスの少なかった攻撃の課題を指摘した。

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 9月に始まるワールドカップ(W杯)予選を控え、森保監督がノエビアスタジアム神戸で可能な限り多くのオプションを試したことには、誰も異論はないだろう。

 コロンビアに敗れたチームから11人を入れ替え、森保監督は5人の選手(畠中槙之輔、鎌田大地、橋本拳人、安西幸輝、小林祐希)に代表初先発の機会を与えた。23人の選手しか連れていけなかったアジアカップを含め、多くの異なる選手を先発出場させながら結果を残している事実は、元サンフレッチェ広島監督の持つクオリティーを証明している。

 ボリビアカルロス・ケイロス率いるコロンビアのように日本に難題を突きつけることはできなかったため、森保監督はチームパフォーマンスに満足いく部分も多かったのではないか。香川真司(ベジクタシュ)が模範的だった。守備では自陣まで下がり、攻撃では貪欲に前に出ていくことで、エネルギッシュさを示している。

 宇佐美貴史デュッセルドルフ)が残念なパフォーマンスに終止した一方、多くの時間を左サイドプレーした乾貴士(アラベス)が見せた存在感は、なぜ森保監督はスペイン仕込みのアタッカーをアジアカップでベンチに置き続けたのかという疑問を呼び起こさせた。UAEでは中島が不在だっただけに、乾はチームプラスになるものをもたらしてくれたはずだったのだが。

 安西は鹿島アントラーズで普段から見せているパフォーマンスを発揮。長友佑都ガラタサライ)の代役として、十分な能力を持っていることを証明している。乾と良好な連係を保ち、サポートに入りながら高い位置まで進出した。

 小林(ヘーレンフェーン)も目を引くプレーを見せている。橋本とともにバイタルエリアでよくハードワークしながらも、元ジュビロ磐田のMFは効果的な前線への関与で存在感を示すことも忘れなかった。

「やはり、違いを作ったのは彼だった」 改めて浮かび上がった中島の存在感

 ボリビアが脅威となるシーンは少なかったため、森保監督はセンターバックの三浦弦太(ガンバ大阪)と畠中(横浜F・マリノス)についてはあまり多くを知ることはできなかっただろう。ただ、このレベルに相応しいだけのプレーは見せている。GKシュミットダニエルベガルタ仙台)もあまり試される機会はなかった。

 堅実なパフォーマンスだったからこそ、ボリビアのディフェンスをこじ開けるには中島の途中出場を待たなければならなかったという事実も浮かび上がる。日本は彼が出場するまで数えるほどしかチャンスを生み出せず、アル・ドゥハイルのアタッカーは得点の前にもクロスバー直撃のシュートを放った。やはり、違いを作ったのは彼だった。

 香川は中央の創造性を担う選手として復活を続けており、これからも南野拓実(ザルツブルク)の脅威となることを示した。より多くの経験と狡猾さを持っているだけに、香川は中島と堂安律(フローニンゲン)らと組めば、魅力的なオプションとなることは間違いない。

 日本代表は6月、コパ・アメリカに参戦する。その舞台で森保監督はテストを続けるのか、それとも2022年カタールW杯に向けてのラインナップを固めていくのか。気になるところだ。(マイケル・チャーチ/Michael Church)

日本代表はボリビア戦で1-0勝利を収めた【写真:Getty Images】


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