(出典 kicker.town)



ザンクトパウリ監督も高く評価 「彼の持つスピードは我々の武器」

 ハンブルクの街が戦いの場となる――。元日本代表MF宮市亮プレーするザンクトパウリが、酒井高徳と伊藤達哉の所属するハンブルガーSVを迎えてのダービーマッチが10日に行われる。街中では今週、すでに何度もファン同士の小競り合いが起こり、試合当日スタジアムの周りにはおよそ1800人の警官隊が万全の態勢で安全確保を目指す。

 そんなダービー出場を熱望しているのが宮市だ。9月30日にハンブルガーSVのホームで行われた前回対戦では、ベンチ入りしながら出場機会がなかった。

「雰囲気はすごく良かったですね。試合に出られたら一番良かったですけど。しょうがないですね」

 試合後にそう語っていた宮市だが、当時はまだ、その2試合前に膝の負傷から復帰したばかり。後日「長いリハビリ生活の間には引退を考えたこともあった」と漏らすほど苦しい時期を乗り越え、9月21日のインゴルシュタット戦で約1年ぶりに実戦復帰。この試合で後半25分から早速起用されると、同37分に相手の隙を見事についたヘディンシュートで決勝点を決めた。その喜びの大きさは想像以上のものだったことだろう。

 宮市は、こう話してくれたことがある。

「そうですね、本当に得点できたことはうれしかったですけど、まず本当にこの復帰に関わってくれたすべての人に本当に感謝を伝えたいです。そういう人たちなしでは、絶対に復帰できなかったと思うので、それは感謝したいです。ただ本当にまだ1点というか、始まったばかりなので、それを積み重ねていけるように頑張っていきたいと思います」

 その言葉どおり少しずつ出場機会を増やし、今ではレギュラー候補の一人となるまで復活してきた。マルクス・カウンツィンスキ監督からは「サッカー選手としての能力がまず高く、加えて彼の持つスピードは我々の武器だ。相手DFが彼を止めるのは非常に難しい」と高い評価を受けており、だからこそクラブは先日、宮市に2021年6月30日までの契約延長を打診。宮市もまた「(話をもらった)最初の瞬間から延長するのは僕の中ではっきりしていることだった」とすぐに了承した。

契約延長にも満足せず 「チームのみんなに何かを返していける」

 契約延長して満足したりはしない。活躍する自信は沸々と湧いている。「チームのみんなに何かを返していけると思っている」と語っていたと、「ビルト」紙が報じていた。

 チームクラブ、そしてファンが何よりも活躍を求めているのが、このダービーマッチなのは間違いない。両チームが過去同じリーグに所属していることが少なかったために、ただでさえ希少価値がある。それに加え、今回はともに1部昇格を狙える位置につけているのも試合の興味を掻き立てるスパイスとなっている。現在4位のザンクトパウリが勝利すれば、3位ハンブルガーSVとの勝ち点差を「1」に縮めることができる大事な一戦だ。

ダービーパワーファンが僕をさらに押し上げてくれるかもしれない」と気合を入れる宮市が、チーム最速時速34.94kmのスピードピッチを駆け抜け、チームの攻撃にスイッチを入れてくれるはずだ。(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

ザンクトパウリに所属するMF宮市亮【写真:Getty Images】


(出典 news.nicovideo.jp)