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 UAEアジアカップを戦っている森保ジャパンスッキリしない戦いが続いている。


 初戦でグループ最弱と見られるトルクメニスタンには先制を許しての逆転勝利、続くオマーン戦は日本にとってラッキーな判定に助けられて1-0での辛勝。3戦目を待たずして決勝ラウンド進出を決めたといはいえ、優勝を目指す日本にとって不安を残す内容だ。

 第3戦のウズベキスタンは、ソビエト連邦の解体後にAFCアジアサッカー連盟)に加入。W杯出場はあと一歩のところで逃しているものの、アジアトップ10に確実に入ってくる実力国だ。


 2勝同士で迎える第3戦は1位突破をかけた試合となる。ウズベキスタンオマーンとの初戦を2-1で制すると、第2戦では日本が大苦戦を強いられたトルクメニスタンに前半だけで4点差をつけて一蹴した。


 今ひとつ調子の上がらない日本と、ゴールラッシュを演じたウズベキスタン。日本が負けてもおかしくない。


「明日の試合はこれまでの2戦からは選手を多く変えて臨もうと思っている」


 すでにグループリーグ突破を決めているため、森保一監督は大幅なメンバーの入れ替えを明言している。アジアカップは最大7試合の長丁場。主力選手に頼りっぱなしでは、だんだんと疲れによってパフォーマンスが低下していく。決勝までを見据えて、主力を休ませるという戦略だ。


 もう一つの狙いが、チームの一体感を高めること。大会が始まると、スタメン組とサブ組でどうしても温度差が生まれる。なおかつ、森保監督は今大会でまだ23人中14人しか起用していない。どうしてもサブの選手には試合に出られない悔しさが不満が溜まっていく。


 「せっかくのチャンスかもしれないので、しっかりとつかんで頑張りたい」と静かに気持ちを高ぶらせているのが乾貴士だ。


 乾といえば、言わずとしれたロシアW杯の日本のヒーローだ。セネガル戦、ベルギー戦で決めた2つのビューティフルゴールはすべての日本人を熱狂させた。ただ、4年後に34歳になることもあって、ロシアW杯終了後は1回も召集されていなかった。


 アジアカップメンバーからも外れていたが、乾と同じく左サイドを得意とし、ドリブルで仕掛けるタイプ中島翔哉が大会直前に怪我で離脱したことで追加招集された。だが、第1戦、第2戦は最後まで声がかからず、90分間ずっとベンチから試合を見守った。


 スペインリーグのベティスでは出番に恵まれていないとはいえ、乾の実績は今の日本代表でもトップクラスだ。チームがうまくいっているならまだしも、苦戦しているのに自分が投入されなかったことに、少なからずプライドを傷つけられたのは間違いない。


 実は、ロシアW杯でも乾はもともとスタメン組ではなかった。しかし、最後の強化試合となったパラグアイ戦でのプレーが評価されて、土壇場でスタメンに滑り込んだ。だからこそ、森保監督の目の前で、自分の実力をアピールしたいという気持ちは強いだろう。


 スタメンが予想されるのは、GKにシュミットダニエル、DFラインに室屋成、三浦弦太、塩谷司、佐々木翔、MFはボランチが遠藤航、青山敏弘、2列目に乾、北川航也、伊東純也、1トップ武藤嘉紀


 アジア王者への挑戦はまだ始まったばかり。果たして、ウズベキスタン戦で日本を救うヒーローは出てくるのか。


 予想サイトの『SUPERCHOICE』では、今回の日本代表戦で「グループステージ突破なるか アジア杯の日本代表対ウズベキスタン代表で勝利するのは?」、「この試合で日本代表のファーストゴールを決めるのは?」という投票を開催中。日本代表の勝利は1.31倍、ウズベキスタン代表の勝利は7.25倍、引き分けは8.51倍となっている。


文・北健一郎(SAL編集部)

写真・田村翔/アフロスポーツ



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