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1 Egg ★ :2018/11/11(日) 08:58:52.31 ID:CAP_USER9.net

イニエスタらの存在は若手成長のチャンスに


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上位対決ではないものの、チケット完売となった神戸と鳥栖の一戦を彩ったのは、イニエスタとF・トーレスの存在だった。 

「ワオ! Jリーグに一体何が起こっているというのだ!?」

 この土曜日、私はノエビアスタジアム神戸で行なわれたヴィッセル神戸とサガン鳥栖の一戦を見て、心の中でそう叫んでしまった。もしかしたら、声が漏れていたかもしれない。

 私は2000年に来日した時に初観戦をして以来、数多のJリーグの試合を見てきたが、今回のような国際レベルの才能によって彩られた試合は見たことがなかった。

「DAZN」や「楽天」の積極的な投資の効果もあり、Jリーグにフェルナンド・トーレス、アンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキのようなワールドクラスが揃うことは、日本サッカーの水準を高め、ファンにとってより良いものとなっているように感じた。

 私はこれまでも確かな技術を持った外国人選手たちをJリーグで数多く見てきたが、上記の3人はそういった選手たちとは異なるレベルにあることは、いまさら言うまでもないだろう。

 今回の東京から神戸へ向かった旅は、言うなれば、ロンドンからマンチェスターへ向かうぐらいに遠いものだったが、その価値は十分にあったし、私にとっては全てが良い経験となった。

 まず、何よりも感動したのは、2時間以上も前にも関わらず、スタジアム周辺は、多くのサポーターで賑わっていたことだ。イングランドでは上位対決でもない限り、2時間前に人が溢れかえることはまずありない。

 そんな彼らのお目当ては、もちろんイニエスタとF・トーレスだ。オフィシャルグッズショップや、道中の露店で非公式に販売していたレプリカユニホームに至るまで、彼ら二人の影響力は至る所にあった。

 とくにこの日、私はイニエスタに注目していた。試合前のウォームアップの段階で受け手の足下にピタリとつけるパスを供給するなど異彩を放っていた彼は、試合中も絶対に奪われないボールキープでスタンドを沸かせるなど、私を含めて観る者を魅了した。

 昨シーズン、私はJリーグ王者となった川崎フロンターレの試合を見に行ったが、彼らはどこか焦り過ぎているように見えた。そのスピーディさだけを見れば、ある種、Jリーグの良さでもあるのだが、プレーの精度を欠くところもあり、私はいささかの疑問を抱いていた。

 それがイニエスタはどうだろうか? 常に落ち着いてプレーする彼は、無駄なプレーを試合から取り除き、チームの質を間違いなく高めていた。

 神戸の良いプレーは全てイニエスタが関わっていた。その事実から彼の存在がいかに強大なものかが伺い知れた。だがしかし、私から言わせれば、神戸の選手たちは、イニエスタに頼り過ぎているようにも見えた。

 何が起きるかわからないフットボールに絶対は存在しない。ゆえに彼を経由することがいつもベストな選択であるわけじゃない。だから、神戸の選手はもっと自分自身でチャンスを創るために責任感や積極性を持つべきだ。

 しかしながら、イニエスタやF・トーレスのようなスーパースターが加入した効果は、Jリーグにとって間違いなくポジティブに働いている。私はそう思う。

 一部の日本人は、国内の若手選手にチャンスが回ってこないと嘆いているようだが、私はその意見には同意できない。今のように世界的な選手が多く参戦することは、若手にとって世界基準の技術を盗む機会を得るということであり、成長できるチャンスでもあるのだ。この時を活かさない手はないのではないだろうか?

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

【著者プロフィール】
STEVE MACKENZIE/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝を飾った。

11/11(日) 6:06サッカーダイジェスト
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